ハッテン場で強盗殺人後に自殺……元極妻が語る、元ヤクザ「夜回り組長」の哀しき末路
今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
■強盗殺人事件で逃走中に、別の事件を起こして自殺
「イシハラさんがハッテン場で人を殺してトンで(逃げて)るってウワサ、聞いてます?」
昨年の暮れ頃に、オットの若い衆だったサブちゃん(仮)から聞かれたことがありました。「ハッテン場」がわからない方は、ググってくださいね。
「イシハラさんて?」
「夜回り組長の……」
「ああ、石原伸司さん……。不良の更生支援してるんじゃなかったっけ?」
「最近はカネに困ってたみたいです。自分の知り合いも、カネ貸してました」
「ふうん……」
その時はそんな話だったのですが、単なるウワサのようでもあり、正直スルーしていました。でも4月になって、この石原さんが強盗殺人を犯して逃走中に、別の傷害事件を起こし、自殺していたことが報道されて、びっくりしました。
■浮浪児からヤクザ、そして作家へ
私は石原さんとは面識はなかったのですが、元ヤクザで作家活動をされているということで、知り合いの記者さんからご本をいただいたことがありました。幼少期はいわゆる浮浪児(今でいうストリートチルドレン)で、銀座のホステスさんに拾われて読み書きを習ったそうです。
今は私を含めて浮浪児を見たことのない人のほうが多いでしょうが、古参の親分衆の中には浮浪児だった方も結構います。たとえば2013年に死刑が執行された熊谷徳久受刑者はヤクザではありませんが、終戦直後に浮浪児として育ち、多くの事件を起こして死刑判決を受けました。自分の本名も知らなかったそうです。
浮浪児だった石原さんに、読み書きを教えてくれたホステスさん……。なんか話ができすぎで、どこまで本当か微妙でしたが、石原さんと懲役で一緒だったことのあるサブちゃんは、石原さんが毎日本を読んで、小説を書いているのを見ています。
「掃除とかはよくさぼるけど、キホンは気のいいオッサンで、『読み書きは大事だ。オレは作家になるんだ』って言ってました」とサブちゃん。
「でも当時から『両刀』をカミングアウトしていたんで、みんな引いてましたね」
「えー! 閉鎖空間で、その発言はないわ」
それはさておき、ムショはヒマなので、仕方なく読書をする人は多いのですが(私のオットもそうでした)、石原さんはもともと本がお好きで、才能もおありだったのでしょう。出所されてからは作家としてデビューされ、ご著書も何冊か出されていますし、ご自身の経験を生かしてか「夜回り組長」として少年少女たちの更生支援を続けておいででした。
ご本人をモデルにした映画(『逢えてよかった。』)も製作されていますし、テレビや雑誌でご活躍をご覧になった方も多いでしょうね。それに、歌舞伎町で夜回りをしていた石原さんに声をかけられ、編集者を紹介されてライターになった方もいらっしゃいます。私の周囲にもファンこそいませんが、特にディスる人もいませんでした。
とはいえ世間様は不良や元不良には冷たいですから、冷淡に見る方も多かったと思います。そして、最悪の結果となってしまいました。
■生活保護も受給していた
石原さんは、それなりにご活躍だったと思うのですが、なんでこんなことになってしまったのでしょうか?
4月17発売の「週刊アサヒ芸能」(徳間書店)によると、石原さんは妹さんが亡くなって生活できなくなったそうで、去年くらいから記者さんたちにもお金を借りてたんですね。でも、サブちゃんが聞いてきた話では、生活保護は以前から受けていたそうです。
元不良が生活保護を受ける例は結構ありますし、贅沢しなければ生活できるはずなのですが、実際には難しいのでしょう。アサ芸の記事には、最後に住んでいたアパートに「コワモテ」が訪れていたとありました。コワモテ……。借金取りですね。そのコワモテから逃げるために、ハッテン場に潜伏していたのでしょう。
一方で、石原さんの事件には「愛欲絡み」のウワサも消えません。報道によれば、絞殺された被害者さんが着ていたガウンには体液(!)もついていたそうですね。殺すつもりはなくて、単なる「首絞めプレイ」だったということでしょうか。いずれにしろ、ヤクザの最期は哀しいものです。
被害者さんとともに、石原さんにも合掌させていただきます。来世は安らかな人生を送れますように。