女性タレントの「アバター鼻」化はなぜ起こる? Dr.高須幹弥が“整形バレ”する鼻を語る
整形とバレずに鼻を高くしたいなら、ヒアルロン酸であれ、シリコンプロテーゼであれ、自分の顔に合った正しいデザインにすることです。鼻を整形していても疑惑が持ち上がっていない芸能人は、不自然さを感じさせないきれいな仕上がりになっていますよ。一方で、アバター鼻化してしまっている人は、感覚がマヒしている可能性が高いです。初めは、ほどよい高さで満足するのですが、見慣れてくると物足りなくなって、ヒアルロン酸を繰り返し注入してしまうんです。これは鼻に限ったことではありませんが、ヒアルロン酸はある程度の期間で体内に吸収されるので、「吸収されて元に戻った」と錯覚したりすることが原因です。本来は医師が「入れないほうがいい」とアドバイスするべきなのですが、売り上げにつなげるために、不自然になるとわかっていても患者の意のままに施術してしまうケースが少なくありません。患者自身も希望通りになって満足するので、美容医学的におかしな形で客観的には失敗でも、本人的には成功という、なんとも複雑な状況が生まれてしまうんですね。
もしアバター鼻になってしまって失敗したと思ったら、ヒアルロン酸ならヒアルロン酸分解注射を打って1日ほど待つか、シリコンプロテーゼであれば、抜くだけで戻せます。ただ、アクアミドのように解けたり吸収されたりしない注入物の場合は、鼻の穴から注入物を掻き出さなければなりません。それでも8割ほどしか出せませんが、アバター鼻は解消できるでしょう。なお、ヒアルロン酸はいずれなくなるからと安心している人もいるようですが、アバター鼻になるほど繰り返したくさん注入すると、ヒアルロン酸の周りに薄い被膜ができて吸収を阻害され、永久に残ることもあるんですよ。
■鼻は高ければいいというものではない
鼻は、低いと子どもっぽい印象になり、高くて鼻筋が通っていると大人っぽい雰囲気になるので、鼻を少し高くするだけで、顔全体の印象が少し大人っぽくなります。とはいえ、美人顔の一番のポイントは輪郭とパーツの位置関係なので、鼻が低くても全体的なバランスが整っていればかわいく見えるんですよ。もし鼻の低いことがその人のマイナスポイントであれば、高くすることで印象が良くなりますが、ただ高ければいいというものではありません。一番は、自分の顔に合った適度な高さであること。あとは、ダンゴ鼻や鷲鼻、鼻の穴が大きいとか小鼻が広がっているなどの欠点がないことのほうが大切だと思います。
高須幹弥(たかす・みきや)
美容外科「高須クリニック」名古屋院・院長。オールマイティーに美容外科治療を担当し、全国から患者が集まる。美容整形について真摯につづられたブログが好評。
・公式ブログ