「私も脱走を考えた」元女囚が語る、愛媛の刑務所脱走事件が起こったワケ
この造船作業場に収容されていると仮釈放も早いので、移送を希望する懲役も多いようなんですが、軍隊並みの厳しさだそうで、来てから後悔する方も多いとか。逃げてはる平尾受刑者は「叱られて落ち込んでいたようだ」的なお話が出てますが、どうなんでしょうか?
それにしても平尾受刑者、「窃盗などで懲役5年6月の実刑」てゴッツイですよね。長すぎ。「何やろ?」と思ったら、編集者さんが調べてくれました。高校の同級生とコソ泥をやったはったんですね。
2013年11月の報道の時点で、ナント121件(被害額約405万円)の出店荒らしや車上荒らし、ひったくりなどがわかっているそうです。逮捕当時は住所不定・無職で、ホームレスのような生活やったと。で、刑が確定して福岡刑務所から松山刑務所に移送されて、造船所に行かされています。ナニがあったんでしょうか。気になりますよね。
■私も脱走を考えました
以前も書かせてもらいましたが、「脱走」はムショでは「自殺」と並ぶタブーです。もちろん懲役にとってのタブーではなく「官(役人や施設)にとってのタブー」ですけどね。脱走者が出たら所長まで処分の対象になるとか、そんな話です。せやからヒソヒソ話は「脱走の相談」として厳禁ですし、本や雑誌も脱走や自殺の方法を書いてあるものは差し入れできません。でも、日本人の脱走は少ない気がしますよね。だいたい大きな脱走騒ぎは外国人ですしね。
もちろん、獄中(なか)にいて脱走を考えない人はいてませんよ。人間の尊厳を徹底的に傷つけますからね。ひどいもんです。私だって考えたことがありますからね。当時のカレが突然手紙をくれなくなり、面会にも来てくれなくなったんです。もう不安で不安で8カ月くらい泣き暮らしましたね。脱走も考えましたが、とてもムリなので、「逃げられないなら死のう」くらいに思っていました。逃げている平尾受刑者も、「恋人が死にそう」とか、逃げざるを得ない何か事情があってんやろなと思います。
中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」