カルチャー
精神科医・高木希奈先生インタビュー
TBS・宇垣美里アナを精神科医が一刀両断! ストレス回避法の“マイメロ論”は「鬱になる危険も」
2018/04/16 13:00
――あらためて、若い女性の間でマイメロ論が広まっていることについて、率直な感想を教えてください。
高木 こんな論理が出てくること自体に衝撃を受けました。意図して、解離性障害の状態に、自分を持っていくなんて……って、びっくりしたというのが正直な感想です(笑)。ただ、最近の若い人は、「頑張って稼いで、いい車や家を買いたい!」などの考えがあまりないと聞きます。あえて困難に立ち向かい、それを乗り越えようと頑張るより、イヤなことから逃げることも大事といった感覚が強いゆえに、マイメロ論がはやっているのかもしれませんね。
ただ私からすると、マイメロ論的思考が通用するのは、人格の確立していない10代までじゃないかと思ってしまいます。もし20~30代でこのような考え方をしている方が患者として私のところへ来られたら、マイメロ論的な思考をするよりも、「認知行動療法」や「アサーショントレーニング」をおすすめするでしょうね。
(取材・文=千葉こころ)
高木希奈(たかぎ・きな)
精神保健指定医、日本精神神経学会認定専門医、日本精神神経学会認定指導医、日本医師会認定産業医。現在は、精神科単科の病院で、精神科救急を中心に急性期治療にあたっている。また、産業医として企業にも勤務。著書に『あなたの周りの身近な狂気』(セブン&アイ出版)『精神科女医が本気で考えた 心と体を満足させるセックス』(徳間書店)などがある。
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最終更新:2019/04/08 19:33