博多華丸・大吉に致命的な欠点? “いのっちロス”めぐる新『あさイチ』の業界評
V6・井ノ原快彦と有働由美子アナウンサーの『あさイチ』(NHK)降板から10日あまり。彼らに代わって4月2日から同番組の新司会に抜擢されたのが、博多華丸・大吉と近江友里恵アナウンサーだが、彼らの司会ぶりは業界でどのように見られているのだろうか? 今回は、博多華丸・大吉への評価を聞いてみた。
「華丸・大吉はそこまで数字を持っているわけではないものの、ガヤ芸人や好戦的なイメージの強い吉本芸人の中では『穏健派』と言いますか、『受け』のタイプで、“我”をそこまで出さないので女性視聴者が多い朝の番組にはうってつけ。また、大吉の顔が好みという女性も意外と多い。ありそうでなかった、ベストキャスティングと言えるでしょう」(業界関係者)
華丸・大吉の安定感ある進行ぶりは、元祖『あさイチ』ファンにも評価されているようだ。
「彼らは、かつてBSフジで『華大の知りたい!サタデー』(2015~16)という1時間の生放送情報番組の司会を務めていたので、『あさイチ』も未知の領域ではなかったのです。ちなみに、この番組では『あさイチ』と同じように、健康・お金・趣味といった生活に寄り添った話題を紹介。番組の進行役は大吉が、専門家への聞き役は主に華丸が務めていました。今回も、後半の料理コーナーは華丸が中心となって仕切っているのを見ると、役どころを2人で分けているようですね」(同)
それでも、多少の懸念材料がないわけではない。彼らには致命的な欠点があるという。
「更年期のメイクの方法や、垂れてしまったお尻の解決法を特集していたとき、2人は心ここにあらずといった感じで、ゲストに来ていた蛭子能収をイジるのが関の山でした。また、リメイク特集で、短くなったクレヨンを溶かしてオリジナルキャンドルを作るといった企画にもあまり関心を示さず、井ノ原であれば、さまざまな質問が飛び交うであろう場も、2人がしゃべることはなかった。つまり、生活者目線が欠けているんです」(放送作家)
それだけではない。主に毎週金曜日、ゲストを迎えてのトークコーナー「プレミアムトーク」でも、「井ノ原と比べてしまう」と話す。
「6日のゲストはアーティストの三浦大知でした。井ノ原であれば、少し説明が足りないゲストの話も、さりげなくスッと追加で聞いて視聴者にわかりやすくしてくれたり、知りたいところまで掘り起こしていました。しかし大吉は、スタジオやスタッフを笑わせるタイプ。話を引き出していた今までの『プレミアムトーク』とは、切り離して考えた方がよさそうです」(同)
さらに実際的なことをいうと、「プレミアムトーク」のゲストに、今後は、朝ドラや大河ドラマの出演者が登場するときもある。イノッチと有働アナは欠かさず作品を見た上でトークに臨んでいたが、レギュラーを多く抱える彼らにそのような時間はあるのか、少し気がかりだ。
いずれにしてもこの司会交代を好機と捉え、民放のワイドショーも逆襲を図ってくるはず。王者『あさイチ』はどう立ち向かっていくのであろうか。
(村上春虎)