アラフォー風俗嬢の苦い思い出……孤独で貧乏な優しい“社長さん”の盗撮
――男は風俗嬢にどんな姿を見せているのだろうか。恋人や友人には見せない、男たちの情けなさ、みっともなさ、滑稽さ、そして優しさをアラフォー風俗嬢がつづります。
風俗デビューをしたデブ専門のデリヘルで、新人の頃から週1ペースで呼んでくれた40代後半のおじさん。
当時の私は、風俗に入って1カ月ちょい。指入れされまくったまんこは傷だらけで血が滲み、自分の体が洗っても洗ってもとにかく汚いように思え、洗いすぎて細菌性膣炎になり、めちゃくちゃ臭くなったり、乳首もボロボロ。声がかすれて出なくなったり、熱まで出るほど体を壊し、そのまま風俗を辞めようと退店した。
そのおじさんにも、「さよなら」と退店報告をしたのに、その後も私からの「さよなら」を無視し続け、めげずに何度も何度もLINEしてきた。全部既読スルーをしているのに。時には未読スルーも。それが数カ月続いた。でも、なぜかブロックできなかった。返信はしなくていい、読まなくてもいいから、ただ送らせてくれ、と。思うに、おじさんは話し相手や、LINEを送る相手がほしく、やり場のない孤独や、仕事のストレス、自分の思いをただ誰かに送信したかったのかもしれない。
それがわかるからブロックができなかった。実現はしなかったけれど、海外出張で毎月行っているというベトナム旅行にも誘ってくれた。
その当時、私は付き合い始めていた男性に生活費を毎月30万円いただけることになっていたのだけれど、価値観が合わず1カ月半で別れ、結局、私は風俗へ出戻った。
私は精神状態が不安定だった頃、解離性障害らしきものになりかけた。深夜に、知らない男性と記憶のないデートをやらかしたり、待機室で気を失い、記憶がないまま店長に引きずられラブホテルまで連れて行かれたりと、不安とパニックで病んでいた。そんな時、1人じゃ危険だし家賃の負担も減るだろうから、ウチに住んだらいいよって、言葉をかけてくれたり、自分も忙しい人なのに何かと気にかけてくれる、優しいおじさんではあった。
大阪在住の既婚者だったけれど、大阪での別居生活も長いらしく、東京でもマンションを借りて、つい最近彼女が出て行ったばかりだったとか。よほど寂しがり屋なのか、誰かとつながりを持っていたい人なのか。
自分で立ち上げた会社の社長さんらしく、会社の借金が私とケタが違う数千万円。ワイシャツの襟も首回りが擦り切れて穴が開いているほど。擦り切れて破れていても、そのまま着ている社長は初めて見た。それだけ会社がヤバイ状況だったのだろうか。社長という孤独な職業で会社も危うい、家族とは長年別居、愛人とも別れ、そして不慣れな東京。とにかく孤独だったんだろうな。