『もみ消して冬』最終話、Hey!Say!JUMP山田涼介に絶賛の声! “コメディ俳優”としての代表作に?
Hey!Say!JUMPの山田涼介主演、ジャニーズWESTの小瀧望が出演しているドラマ『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』(日本テレビ系)。3月17日放送の最終話は、平均視聴率10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)となり、2ケタ回復で有終の美を飾った。
同作は、東大卒で超金持ちの3きょうだいが一家の事件を奇想天外な方法で解決する、ハチャメチャなホームコメディ。山田は末っ子で、将来有望な警視庁勤務の警察官・北沢秀作を演じている。長男の博文(小澤征悦)は、昇進のことばかり考えている天才心臓外科医で、長女の知晶(波瑠)は性格がキツく口が悪い敏腕弁護士。3人の父親・泰蔵(中村梅雀)は、難関私立中学校の学園長である。秀作の後輩で、いつも秀作に的確なアドバイスをする警察官・尾関光希役を、小瀧が演じている。3きょうだいはケンカしながらも一家の珍事件を解決してきた。
前回第9話では、秀作と同じ日に同じ病院で生まれた吉田邦夫(加藤諒)という男が突然登場し、2人は赤ちゃんの時に取り違えられたという衝撃の事実が発覚した。2人は試しに1週間、それぞれ“本当の家族”と暮らしてみることに。秀作は些細なことでも「ありがとう」と感謝してくれる吉田家の人たちに「安住の地を得た」と満足げで、邦夫も北沢家のセレブな暮らしが気に入り、「ボクたち、このまま完全に入れ替わったほうがよくないですか?」と提案する。秀作も「オレも今日、同じ提案をしようと思っていたんだよ!」と即同意。2人はこのまま、完全に入れ替わることになったのだった。
そんなとき、泰蔵が取引先の女性・ミランダ(シンシア・チェストン)との密会現場を写真に撮られ、金をゆすられるという事件が発生。表沙汰になれば、一家に大きな危機が訪れることに……。家族がピンチであることを執事の楠木松也(千葉雄大)から知らされた秀作は、一度は助けることを断ったものの、ある朝、吉田家が飼っているニワトリの卵を取りに行ったときに「鳥は『ありがとう』と言われたくて卵を生んでいるんじゃない。朝が来るから卵を生む、それだけのことだ。なのにボクは、家族に『ありがとう』と言われたくて卵を取りに来ている」「見返りを求めず、無償の愛と豊富なタンパク質を提供してくれる鳥……そんな鳥のような人間にボクはなりたい!」と、ふと思う。
そして、最後の置き土産として、泰蔵とミランダの写真を撮った悪徳探偵事務所に侵入し、写真の“もみ消し”を試みる秀作。しかしそこで、泰蔵にもみ消しを命じられてやってきた邦夫と鉢合わせてしまい、さらに、2人の侵入に気づいた警察が来てしまう。はたして2人の運命は……?
第8話までは、コメディ要素の強いストーリーで高評価を得ていたが、秀作と邦夫の取り違え問題が発覚した前回からコメディ要素が薄くなり、そして最終回では、これまで住居侵入、窃盗などの罪を犯して一家のトラブルを解決してきた秀作に対して、リアルな試練が待ち受けているというシリアスな展開になってしまう。「取り違えの件から、秀作の不憫キャラが笑えなくなった」「コメディとして、この最終回は最悪」「無理にリアリティを持ち込んで、こんな救いのない展開にしなくても」「最終回で台無し」などと、視聴者の間では酷評の嵐。
ストーリーにはガッカリする人が多かったようだが、山田や小瀧をはじめ、キャストの好演に対する評価は毎回高く、「オチは残念だったが、俳優さんの演技がみんな面白くて見応えあった」「山田はコメディ向けということがわかった作品」といった感想はほぼ毎回見受けられた。オチが悪い意味で印象的だっただけに、逆に山田に対する評価も“迷作の好演”として、語り継がれる可能性もありそうだ。
振り切れた顔芸と絶妙な間合いのやりとりで、個性的な登場人物に囲まれても負けないどころか、逆に輝いていた山田。作品自体の評価は大きく分かれてしまったが、“コメディ俳優”としての山田の地位を確立した作品であることは間違いないだろう。