カルチャー
「全国宅地建物取引ツイッタラー協会」全宅ツイのグル氏インタビュー【後編】
「港区の高級マンション」なのにクソ物件!? 素人が見落としがちな“貸主”という落とし穴
2018/03/25 19:00
これまでさまざまな物件を見てきた全宅ツイのグル氏。最後に、クソ物件が放つ魅力について、次のような言葉を寄せてくれた。
不動産に関わる人たちの欲望や浅ましさ、組織の中での個人の弱さなどが垣間見られる点がクソ物件の素晴らしさです。
細長い家の企画を見た不動産会社員は、心の中で「マジで?」って思います。でも、会社員です。会社や上司には逆らえない。「社長いいですね! やりましょう!」って言うんです。
「もっと儲けたろう。住む人のことなんか後回しや。あと1平米でも余分に貸床を確保しろ」って叫ぶ事業主や「工事費もったいないわ。見えるとこだけきれいにしといたろ」と思うビルオーナーの払うお金と、自分の専門家としての良心に挟まれる現場の人間たちの苦悩。それらが結晶してクソ物件が生まれます。
クソ物件とはいわば、人間の業や不動産にまつわる悲喜劇が生み出す侘び寂びが行き着く終着点なのです。
最終更新:2018/03/26 12:25