「ジャニー社長っぽさ」を感じられなかった、King&Princeデビュー会見に思う今後
「King & Prince」(平野紫耀、永瀬廉、髙橋海人、岸優太、神宮寺勇太、岩橋玄樹)のCDデビュー日が5月23日に決定。
先日、六本木ヒルズアリーナで開催されたイベントでは、1,000人のファンを前にデビュー曲「シンデレラガール」はお披露目された。期間限定ショップも企画されているという。イベントの模様を見て思ったのは、「キンプリからは、もうジャニー社長の手が完全に離れているんだな」ということ。
ファンが固唾をのんで見守る中、リムジンから1人ずつ降り、レッドカーペットを歩いてくるという豪華な登場シーンは、一見「ジャニーズならではのキラキラ感」のようである。
だが、ジャニーさんだったら、リムジン&レッドカーペットを「特別」とはたぶん思わない。リムジンで現れるのはむしろ自分自身で、イベントが終わってから大量のちびっこJr.を乗せて帰りそう。また、ジャニーさんが気合を入れてイベントを企画するなら、「キングとプリンスだから、馬車で登場しちゃおうYO!」などと、もっととんでもないことを言いだしたうえで、「無理なの? だったら、馬は? 馬事公苑貸し切ろうよ! え? 東京五輪準備でいま、入れないの? しょうがないな~。だったら、お城でやろうYO!」くらい言いそうだ。
また、一部ファンが「プリキュアみたい」と言っていた、メンバーカラーを取り入れた白のヒラヒラ王子様&王様衣装も、外から見た「ジャニーズ」っぽく、可愛いが、普通。
デビュー曲「シンデレラガール」は、明るく可愛い曲ではあるものの、バラをくわえるでもないし、変声前の天使のような少年が風を切るわけでもないし、やっぱりちょっと普通。6人全員がちゃんと大人で、それなりに舞台慣れしていて、見た目も垢ぬけてキレイにまとまっていて、サプライズはない。
ジャニーさんが本気を出してくるときには、必ず何らかの悲劇を伴うだけに、この珍しいほどに平和なデビューは、「普通」な印象すぎて、少々物足りなさも感じるくらい。でも、だからこそ、最初からそこそこ売れそうな気がする。
もともと、Mr.King Vs Mr.Princeを作ったのはジャニーさんではなく、別の人だといわれているが、それをKingとPrinceの3人ずつに分け、別々の活動をさせたり、いじくり回していたところまでは、ジャニーさん臭がすごかった。それが、6人に戻ったところで「卒業」になったのだろうか。
6人に戻ったせいか、キンプリの場合、デビュー曲も、彼ら自身のまとう雰囲気も、新しくデビューするグループというより、「再デビュー」に近い感じがある。
ジャニーさんらしいほど“売れない”
残念ながら、近年は、ジャニーさんらしければらしいほど、世間一般にはウケず、ジャニーさん臭がなくなってくると徐々に売れてくるという傾向がある。Hey!Say!JUMPが自ら希望してジャニーさんからジュリー管轄に移動して以降の活躍や、Sexy Zone、ジャニーズWESTの活動や流れを見ると、十分成熟し、まとまってからのキンプリデビューは、最初からジャニーさん臭が薄いことで、世間にそこそこ受け入れられそう。
あとは、平野の出演する連続ドラマ『花のち晴れ~花男Next Season~』(TBS系)がどこまで健闘できるか。と同時に、「親しみやすさ」担当として初代リーダー・岸のバラエティ力をうまく生かせるかどうかにかかっている気がする。
(田幸和歌子)