カルチャー
「全国宅地建物取引ツイッタラー協会」全宅ツイのグル氏インタビュー【前編】

“クソ物件”はなぜ生まれるのか? 「裸の王様になりやすい」不動産オーナーの実態

2018/03/24 19:00

 新生活スタートの季節である4月を目前に、現在“引っ越しの真っ最中”という人も多いのではないだろうか。生活の基盤となる“物件”を探すのは、手間のかかる行為ではあるが、一方で、「もしここに住んだら、どんな生活が送れるだろう?」と想像が膨らむ楽しい行為でもある。引っ越しや家を買う予定はないものの、ネット上の物件情報を漁るのが好きという人までいるほどだ。

 しかし、この世には、「なぜこんなトンチキな物件が……?」などと首を傾げてしまう物件があるのも事実。そんな物件を“クソ物件”と称し、2014年から「クソ物件オブザイヤー」なるアワードを開催している、異色の宅建業者団体がいる。それが、「全宅ツイのグル(@emoyino)」氏率いる「全国宅地建物取引ツイッタラー協会」、通称「全宅ツイ」である。

 「クソ物件オブザイヤー」の公式サイトによると、本アワードは、「2008年のリーマンショック以降、混迷する不動産業界にあって、次世代を担うリーダー層が集い、学び、議論し、不動産市場再生のヴィジョンを描くための場が必要であるとの全宅ツイのグルの考えのもと」生まれたとのこと。今回は、全宅ツイのグル氏にメールインタビューを行い、印象に残っている“クソ物件”、また“クソ物件”が生まれる背景などをお聞きした。

「クソ物件オブザイヤー」主催者が選ぶ四天王

「クソ物件オブザイヤー」には、毎年さまざまな物件がノミネートされている。これまで全宅ツイのグル氏が見た“クソ物件”の中で、特に印象的だった物件をピックアップしてもらった。

◎銀座アップルストア

みちだあこ(@michida_aco)さん

【全宅ツイのグル氏講評】外壁の仕上げに高価な素材を使うか廉価なものを使うかで、その費用は数千万円の単位で違ってきます。ですので、道路から見える部分は高価な素材を使って改修し、見えない部分はそのままにしたり、廉価な仕上げを行うことは不動産の世界ではよくあります。それで通常は問題ないのですが、見えないはずの部分が見えちゃったっていうのが、最近隣のビルが解体された「銀座アップルストア」です。

hirofumi (@knhrfm)さん

 どうですか? あの立派な道路面の外観からこの側面の昭和なビルそのままの外壁が想像できたでしょうか? たまたま「銀座アップルストア」の近所のHermesも隣のビルが解体されていましたが、こちらは、ご覧のとおりできっちりと側面まで仕上げられています。

 皆さんも、イザというときのために、見えないところまでお手入れをしておいた方がいいかもしれません。

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