カルチャー
唐沢かおり先生インタビュー

羽生結弦には、なぜ“くまのプーさん”が必要なのか? “ぬいぐるみを溺愛する大人”の心理

2018/03/21 18:30

 平昌オリンピックでの偉業が記憶に新しい男子フィギュアスケートの羽生結弦選手。滑走後、リンクに投げ込まれる大量のぬいぐるみからもわかるように、彼は大の“くまのプーさん”好きで、常にプーさんのぬいぐるみ型ティッシュケースを肌身離さず持ち歩いている。ファンからは、「可愛い」「微笑ましい」との声もある一方、一般的に、ぬいぐるみを溺愛する成人男性が奇異の目で見られるのは事実。果たして、大人になってもぬいぐるみを持つ人の心理とは? 『なぜ心を読みすぎるのか みきわめと対人関係の心理学』(東京大学出版会)の著者で、東京大学大学院人文社会系研究科(社会心理学)の唐沢かおり先生に、話を聞いた。

羽生選手のプーは“儀式”!?

――羽生選手が、試合会場にくまのプーさんを持っていくのは、どういった心理からと考えられますか?

唐沢かおり先生(以下、唐沢) 羽生選手ご本人がインタビューなどで答えていることから推測すると、精神を安定させるためでしょう。トップアスリートは、緊張を強いられる場面やプレッシャーの大きい状況下でも、コンディションや気持ちを安定させて試合に臨まなければなりません。そのために、ある行動を“儀式的に行う”、また安心感を得るためのものを身につけたり身近に置くなど、自己コントロールする方法を体得している人も多いです。羽生選手の場合は、 “くまのプーさん”がそのような役割を果たしているのではないでしょうか。羽生選手は、もともとプーさんのティッシュケースを使っていたようで、プーさんの顔に癒やされるという言葉などからも、ぬいぐるみに限った話ではなく、プーさんというキャラクターが好きということかもしれません。

――とはいえ、成人男性でぬいぐるみを持ち歩く人は稀かと思います。

唐沢 成人男性でぬいぐるみを持ち歩く人は確かに少数でしょうね。でも、彼女にもらったとか、幼い頃の思い出に関係しているとか、なにかしらの理由があると思うので、ぬいぐるみに愛着を持つこと自体は、特に問題ないと思います。ただ、商談の際にもぬいぐるみを抱いていないと集中できないとか、破産するまで買い集めるなど、あきらかに他者との関係や社会生活に支障をきたすほど、過度の依存がある場合は、何かしらの対応を考えなければいけないと思いますが。

misonoの家には“ぬいぐるみ部屋”が

――歌手のmisonoさんもぬいぐるみが大好きなんだそうです。自宅には、大量のぬいぐるみで埋め尽くされた部屋があり、悩み事があるとそこで考えごとをしているらしいのですが……。

唐沢 misonoさんのケースは、主に3つの状況が考えられます。1つは、触覚に惹きつけられている。例えば布団も、カチカチの硬い布団より柔らかい方が落ち着きますよね。ぬいぐるみのフカフカした触り心地は気持ちよく、落ち着きを得られるので、悩んだときに、柔らかな布団に包まれたい気持ちと同じ感覚で、ぬいぐるみを求めている可能性もあります。

 もう1つは、ぬいぐるみ一体一体を、1つの存在として認めているケース。それらに囲まれていることで、大勢の友達の中にいるような感覚が得られて、安心できる場合もあります。最後の1つは、ぬいぐるみの個性は関係なく、“かわいい”“好きなキャラクター”という思いから、見ているだけで落ち着くということも考えられます。こればかりは、本人に聞いてみないとわからないですね(笑)。

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