カルチャー
「誠不動産」鈴木誠氏インタビュー

仲介会社の「仮契約しましょう」、玄関に○○の隣人はNG! 賃貸探しのトラブル回避法

2018/03/05 18:00
「誠不動産」社長・鈴木誠氏

 賃貸住宅で暮らす人にとって、仲介会社や管理会社は暮らしの質を左右すると言えるが、それらのサービスに不満を持つ人は多い。一体、「いい会社」をどう見極めればいいのか。「完全紹介制(一見さんは利用不可)」というユニークな制度のもと、『有吉ゼミ』(日本テレビ系)でも家探しを行う不動産仲介会社「誠不動産」社長・鈴木誠氏に、良い不動産会社の見極め方や、住民トラブルの回避法について聞いた。引っ越しを考えているなら必読!

 とりあえず仮契約」の仲介会社は論外

――不動産の資格というと、「宅建」がありますよね。

鈴木誠氏(以下、鈴木) 宅建は「賃貸仲介」の業務を行う人にとっては、実務で利用されることが少ない資格でして、契約時に「重要事項説明書」を読むために必要な資格といえます。ただ、宅建資格がないと独立もできないですし、不動産業を行う場合5人に1人は宅建保有者がいないと会社を作れないんです。

――不動産は仲介、管理、売買と業務の幅が広いですよね。売買と仲介で比べると、一度で動く金額は売買の方が大きいかと思います。そのような中で、鈴木さんが仲介専業を選択した理由はなんでしょうか。

鈴木 売買の仕事も以前は行っていましたが、賃貸仲介の方が性に合っていたんです。仲介ですと同じお客様に何度も来ていただけることがあります。最初に家賃6万円だったお客様が、次は8万円の物件、次は彼女ができて、結婚して……と、その過程を見られるのがうれしくて。売買ですと、お客様に会うのは多くて2回ですから。

――なるほど。では、いい仲介会社に出会ったら、次の引っ越し時にまたお願いするのもアリなんですね。

鈴木 同じ人を頼るのは手だと思いますよ。ただ、たいていの仲介会社は、会社のある駅から2~3駅くらいまでがカバーできるエリアだと思います。そこから離れると土地勘がなかったり、内見で遠方の物件をいくつも回ったところで決まらないと、お金にならなかったりしますから。また、論外なケースとして「とりあえず申込み」と言う仲介会社はダメですね(正しくは申込みですが、仮契約という言葉を使う会社も)。

――(編集) 年末に賃貸探しをしていたのですが、まさにそのまま言われました。「二番手の方もいますので、さっさと仮契約をしてしまいましょう」と急かされて。

鈴木 「申込み」は大家さんにしてみても「決まったかと思ったらキャンセルが入り、空室のまま」が続き、疲弊してしまいます。「運よく決まってくれればいい」と申込みをひたすら薦める仲介会社は、家を探す人にとっても、大家さんにとっても良くありません。

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