「隣が騒音おばさん」の不幸を避けるには? 不動産プロに聞く、騒音トラブルから身を守る家探し
自宅では穏やかに過ごしたいものだが、騒音や迷惑行為といったご近所トラブルは後を絶たない。神奈川県小田原市ではトラブルメーカーの母娘が越してきて、近隣住民に「サバの味噌煮」を投げつける事件も起きた。騒音をはじめ、各種トラブルが起きる前に、「自衛」の方法はないのだろうか? “完全紹介制(一見さんは利用不可)”というユニークな制度を採用し、『有吉ゼミ』(日本テレビ系)でも家探しを行う不動産仲介会社「誠不動産」社長・鈴木誠氏に、騒音対策を中心に、住民トラブルを回避するポイントを伺った。
間取り図、内見時のチェックポイント
――賃貸住宅では、住んでからのトラブルは「管理会社」が受け持ちますよね。
鈴木誠氏(以下、鈴木) ただ、なかなか管理会社さんは音の問題で動いてくれないんですよね。何件もあることなので。「注意の張り紙をしておきます」と言われるケースが多いのですが、貼られないままのことも多いため、私が仲介した入居者さんには「管理会社の人に伝えますので、私まで連絡ください」とお伝えしています。
――どのような騒音トラブルが入居者さんから寄せられますか?
鈴木 上階のお子さんの足音、テレビの音、1Kなど一人暮らし用の間取りなのに2人で住んでいて夜がうるさい、などですね。
――騒音は、隣や上階に誰が住んでいるのかという、運にも寄るところが大きいと思います。入居者が事前に確認できることはありますか?
鈴木 まず家探しにおいてですが、「騒音」を最重視される場合、構造は「木造」ではなく「鉄筋」の物件を選んでください。不動産会社によっては「鉄骨」でも「音が響かないよ」と薦めるケースもあるのですが、鉄骨では木造とほぼ変わりません。そして、静かに暮らしたいなら最上階の角部屋ですね。最上階は暑いというデメリットもありますが。
――全ての希望をかなえる家などないのですから、何を最重視するかを決めておくことが大切なんですね。
鈴木 私自身はあまり音が気にならないのですが、妻は気にするタイプで、自宅のマンションを選ぶときは50棟以上のパンフレットを見て選んでいました。そこは1階に2戸しかなく、しかも真ん中にエレベーターがあるんです。どこも隣に面していないので、こういった構造もいいかと思います。また、大きい道路沿いに建っている物件は、車の音はしますが、隣の音は気にならないケースが多いですね。
――「静かなところに住みたいから閑静な住宅街」を選ぶと、車の音はしないものの生活音が気になるというケースも出てくるのでしょうね。
鈴木 ほかにも、「人が歩くヒールの音が気になる」という方もいます。こういった場合、家賃は高くなりがちですが、内廊下で絨毯の敷いている集合住宅なら、足音はだいぶ静かになりますね。
――人が「嫌だと感じる音」はバリエーションがありますね。ただ「静かに暮らしたい」ではなく、「自分は何の音が嫌なのか」を見極めることで、家が探しやすくなりそうです。
鈴木 次に内見時ですが、私は内見時には両隣の家のベランダを見るようにしています。隣の家のバルコニーがゴミだらけだったら要注意ですね。また、上の階も見ます。真上の部屋のドアの脇に小さいお子さんの自転車があった場合は、足音などを気にされる方は避けた方がいいでしょう。