元公安が語る『BG~身辺警護人~』――木村拓哉は“敏腕ボディーガード”に向いている!?
――最後に、北芝さんが過去に経験した、印象に残っている「ボディーガードの任務」を教えください。
北芝 ライブドア時代の堀江貴文さんを警護した時のことでしょうか。堀江さんが逮捕される少し前のことですが、7人のチームを組んで、私がリーダーの立場となり、講演会中の警護任務に就きました。まだ粉飾決算の問題が出る前だったものの、ライブドアの株で損したという人が、講演中に罵声を飛ばすだけでなく、堀江さんに襲い掛かろうとしたり……そういった人を取り押さえるなどの対応には苦慮しました。
しかも講演後、別会場で座談会のような企画も予定されていたんです。堀江さんを連れて、徒歩で移動することになっていたのですが、どこから襲われても対処できるように、堀江さんの周辺を7人で取り囲んでいきました。その時のことは、とても印象に残っていますよ。
北芝健(きたしば・けん)
早稲田大学卒業後、商社に勤務するも一念発起して警視庁入庁し、交番勤務の後、私服刑事となる。一方で鑑識技能検定にもパスし、警視庁の語学課程で優等賞をもらい、公安警察に転属したが、巡査部長昇任試験を拒否し、巡査のまま退職。ロス市警の捜査に協力したことから、アジア特別捜査隊と懇意になり、犯罪捜査をネイティブの英語で伝える語学力を身につける。現在は現場捜査の経験を活かし、複数の学校の講師として犯罪学を教える。プロファイリングの第一人者としてテレビのコメンテーターとしても活躍。
『迷宮探訪 時効なき未解決事件のプロファイリング』(北芝健 著、双葉社)
科学捜査の発達した現代でも尚、絶えず起こる未解決事件。その現場を訪れて、はじめて解き明かされる事件の深層、そして真犯人―。迷宮事件の霧をすべて晴らす「北芝プロファイリング」完全版事件現場の現在。