カルチャー
北芝健氏インタビュー
元公安が語る『BG~身辺警護人~』――木村拓哉は“敏腕ボディーガード”に向いている!?
2018/02/28 17:00
――劇中には、警視庁警備課も登場しています。島崎は、民間のボディーガードという役柄なので、警視庁警備課のSPと違い、殺傷能力の高い武器の携帯は許可されていないそうです。北芝さんは、民間ボディーガードだけでなく、警察官時代にもボディーガードの任務をしていたそうですが、どんな違いがあるのでしょうか?
北芝 やはり拳銃を持っているかどうかで、要人警護をしているときの安心感は違います。ここは日本だとわかっていても、例えば金融業の社長に民間のボディーガードとしてついているときは「襲ってくる相手が拳銃を持っていたらどうしよう」と警護中に不安を覚えることもあります。
――島崎と警視庁警備課SPの落合義明(江口洋介)との対立も描かれていますが……。
北芝 島崎さんと落合さんの対立は見どころの1つですが、現実は違います。実際には、民間警備会社で働くボディーガードは、警察OBの人間が非常に多く、千葉県で警備会社の講演に呼ばれたとき、民間警備会社の社長・副社長合わせて100人近くが集まりましたが、ほぼ全員が千葉県警OBだったこともあります。
このようにSPと民間のボディーガードはいわゆる現役とOBの関係にあたり、民間警備会社は、警察退職者の再雇用先としての側面もあるので、落合さんのように民間ボディーガードをバカにしたような高圧的な対応をしてくることはまずありません。民間警備会社側も、SPの人となりを現役時代からチェックしていますから、落合さんのような態度を取っていると、引退後にボディーガードとなる道が閉ざされてしまいます。