羽生結弦の強さは文字にも表れていた! 冷静沈着な情熱家の素顔を、プロ筆跡鑑定人が解説
平昌オリンピック男子フィギュアで、66年ぶりとなる2大会連続での金メダル獲得という“異次元の強さ”を見せた羽生結弦選手。氷上での鬼気迫るような集中力と、一方で、リンクを降りた後のふにゃっとした笑顔や女子力が半端なく高いしぐさのギャップも魅力だ。そんな羽生選手は一体どんな文字を書くのか? 文字から、その強さや愛される秘密が読み取れるのか? 筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! 〜名前を書くだけ〜』(東邦出版)の著者、牧野秀美氏に解説してもらった。
■冷静さと情熱を兼ね備える~努力が苦じゃない人の文字の特徴とは?~
――羽生さんの字は、素人目にはおっとり、繊細、穏やかな印象を受けます。
牧野秀美氏(以下、牧野) 文字から羽生さんを表すとしたら、「冷静沈着な情熱家」でしょうか。「情熱」的な部分も秘められていますよ。
まず「冷静沈着」ですが、文字は四角く大きさがそろい、接筆(四角い文字の左上の角)が閉じており、感情に左右されない、努力できるコツコツ型であることがわかります。さらに「表」の字など横線の間隔がそろっており、気分や感情に振り回されず、理性でコントロールできる気質であることも見て取れます。
――きちょうめんさが伝わってきますね。
牧野 なお、羽生さんのように大きさのそろった正確な文字を「マス目文字型」といいます。通常、マス目文字の人は、大きさにあまり変化をつけないことが多いのですが、羽生さんの場合は、マス目でありながら、文字の大きさに大小をつけています。
――確かに「羽」の字が大きく、「生」の字は小さいです。
牧野 文字の大きさに変化をつけるタイプは、変化を好む波瀾万丈型で、変化を乗り越え、乗りこなすことに生きがいや充実を感じるタイプです。
また、今回の文字より以前、2013年頃に書かれた羽生さんの筆跡を見たことがありますが、それと比べると、左右の払いも長くなっています。
――「払い」について、左払いが長い人は、目立ちたがり屋でプレッシャーに強いタイプ、右払いが長い人は自分の感情に執着して入れ込むナルシストタイプということでした。ちなみに、両方長い人が“女優型”とのことですよね。
牧野 はい。左右の「払い」を長くすることで、表現に対する執着も出てきたのではないでしょうか。