綾瀬はるか『今夜、ロマンス劇場で』、期待はずれの初動――映画界で大コケ連発の窮地
2月上旬、綾瀬はるかと福山雅治の映画が相次いで封切られた。綾瀬主演『今夜、ロマンス劇場で』(2月10日公開)は、なんとも微妙なスタートで、福山主演『マンハント』(2月9日公開)は、壮絶な大コケを遂げた。
『今夜、ロマンス劇場で』は、興行通信社の調べによると、10~11日の「週末観客動員数ランキング」で、初登場1位を獲得。しかし、動員12万6,000人、興行収入1億6600万円と、「ややさびしい数字」(芸能ライター)だという。
綾瀬は、『高台家の人々』(2016年6月公開)、『本能寺ホテル』(17年1月公開)と、2作連続で主演映画がコケており、まさに“崖っぷち”。今作は、ブレーク中の若手俳優・坂口健太郎とのダブル主演で、女性ファンの取り込みも期待されていた。しかし、ランキング上は首位だったものの、『本能寺ホテル』の公開第1週目の週末は、動員が16万7,200人、興収が2億500万円だっただけに、それを下回る発進。この先、巻き返しを図れないと、3作連続でコケることになり、綾瀬の業界評の暴落は必至だ。
「10日にフジテレビ系で放送された『本能寺ホテル』は、高視聴率の平昌五輪中継を裏に回して、視聴率9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とまずまずでした。初回から4話連続で2ケタ台をマークしていた、『もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~』(Hey!Say!JUMP・山田涼介主演/日本テレビ系)が、五輪の影響で7.1%まで落ち込んだことを思えば、大健闘といえます。昨年10月期の綾瀬主演の連ドラ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)は、平均12.7%で高視聴率をマークしており、テレビの世界ではまだまだ需要はある様子。ただ、主演映画の不振が続くようなら、映画界からのオファーは減る恐れがあります」(同)
一方、結婚や加齢で人気が急降下中の福山が主演する『マンハント』は、4位スタートながら、動員が6万3,000人、興収が7900万円にとどまり、「これは大爆死といっていい水準」(同)とのこと。大ヒット作『そして父になる』(13年9月公開)以来、4年ぶりに是枝裕和監督とタッグを組んだ『三度目の殺人』(17年9月公開)は、そこそこの動員、興収があったものの、大きなヒットにはならなかった。また、一昨年前の『SCOOP!』(16年10月公開)もコケているだけに、福山も綾瀬と同じく危機に瀕している。
『マンハント』は、故・高倉健さん主演の名作『君よ憤怒の河を渉れ』(1976年)のリメーク版で、中国人俳優チャン・ハンユーとのダブル主演作。監督は香港育ちのジョン・ウー氏が務め、昨夏の『第74回ヴェネツィア国際映画祭』に出品されたが、週末の動員は10万人にも遠く及ばなかった。
「作品の善し悪しがあるとはいえ、福山に関しては、もうかなり厳しい状況に追い込まれているような気がします。次回作もコケるようなら、主演オファーはなくなるかもしれませんね。ただでさえ福山は、ドラマにほとんど出演しないので、今後は“俳優・福山雅治”を見る機会は激減する可能性もありますよ」(同)
映画界では、“崖っぷち”の綾瀬と福山。綾瀬は作品次第でなんとかなりそうだが、福山は“売り方”そのものを考え直す時期に来たといえそうだ。
(田中七男)