赤ちゃんの“ニューボーンフォト”は危険!? 窒息死や児童ポルノのリスクを専門家が指摘
何気なくネットに公開した写真から、子どもやママ自身の個人情報が流出する可能性もあるため、名前や誕生日、撮影場所の位置情報などには注意が必要です。また、赤ちゃんや幼い子どもの写真を公開することは往々にして、本人の意思が反映されていないという問題もあると渡辺先生は言います。
「ネットに載せる際は相手に確認を取るのが最低限のマナーですが、赤ちゃんではそれもできない。写真をアップする際は、その子が大きくなったときに傷つかないか、嫌がらないかを考えましょう」
たとえば子どものお風呂写真を載せて、その子が今は微笑んでいたとしても、大きくなったときにどう感じるかはわかりません。一度公開された写真はネットで半永久的に残ってしまい、イジメのネタにされてしまう可能性も……。こういったことが問題になり、実際に海外では子どもが親を訴えたケースも存在するそうです。
「16年にオーストリアで10代の女の子が、『自分が赤ちゃんの頃のおむつ交換の写真やトイレトレーニングの様子をネットで公開したものを削除してくれない』と、両親を相手に裁判を起こしています。日本でもこういった事例は、今後十分に起こりうるのではないでしょうか」
自分の意思とは関係なく、知らないところで勝手に写真や個人情報を公開されている……自分の立場に置き換えてみると、その怖さが実感できるかもしれません。渡辺さんは「自分の子でも、意思のある1人の人間として扱うこと」が重要だと言います。
「赤ちゃんも子どもも大人も、みんな自分の姿を勝手に撮影されたり、公開されたりしないための権利、“肖像権”を持っています。親子という関係性においても、そのことを忘れないようにしたいですね」
子どもの肖像権やプライバシーを守ってあげられるのも、親だからこそ。ただかわいいからと、自己満足で写真を撮って公開する前に、リスクを考えてみる必要があるかもしれません。
(藤野ゆり/清談社)