「あれはレイプじゃない」タランティーノ、ポランスキー擁護の音源流出で、いよいよピンチ
クエンティン・タランティーノ監督(54)が、1977年に13歳の少女を強姦した罪に問われ有罪判決を受けたロマン・ポランスキー監督(84)について「合意の上でのセックスで、強姦じゃない。問題だったのは未成年とセックスしたこと」と15年前に擁護した音声が掘り起こされ、大バッシングされている。慌てたタランティーノはすぐに謝罪声明を出したが、批判は高まるばかりで、大ピンチに陥っている。
今月3日、米大手紙「ニューヨーク・タイムズ」を通して、ユマ・サーマンが「『キル・ビル』(2003、04)の撮影中、タランティーノ監督に危険な自動車運転シーンを強要された。『スタントにやらせて』と頼んだのにダメだと言われ、『グズグズして時間を無駄にするな』と激怒された。『時速64キロで走んなきゃ髪がきれいになびかないから、よろしく。できるまで何度でも撮り直すからな』と脅された。その結果、私は事故を起こし、けがを負い、後遺症も残った」と突然告発をした。
事故後、ユマは訴訟を決意。しかし、製作配給会社であるミラマックス社から「『同社には関係ない』という書類にサインしたら、事故の映像を渡す」と言われ対立。タランティーノにも「ミラマックスが決めたから、俺から映像は渡せない」と言われ、2人は長年怒鳴り合うほどの不仲になったと明かした。
ミラマックス社は、ハーベイ・ワインスタインが設立した大手映画製作・配給会社だ。ユマはワインスタインからひどいセクハラを受け、タランティーノからはパワハラを受けたと暴露したわけだが、ワインスタインについてはすでに多くの有名女優たちがセクハラを告発しまくっていたため、タランティーノのほうに注目が集まった。「監督という権力を振りかざし、主演女優にパワハラした」「危険なスタントを無理やりさせた、ひどい監督」と、批判が集まったのだ。
しかしユマはすぐにインスタグラムに、問題の事故映像と、「タランティーノは、この件について今も後悔している。この映像を提供してくれたのも彼で、彼のおかげでこの件を公にできた。自分にマイナスになるのに、正しい行動(=映像の提供)を取った彼の勇気を誇りに思う」「私が絶対に許せないのは、この事故後に隠蔽をしたローレンス・ベンダー、E・ベネット・ウォルシュと、悪名高きハーベイ・ワインスタインよ! 悪意ある隠蔽をし、事実をもみ消したのだから」と告発メッセージを投稿。悪いのはプロデューサー側で、雇われ監督であるタランティーノは最後には誠意を見せてくれたと擁護した。
タランティーノもこの直後、米芸能誌「Deadline」で事故について、「強要したわけではない。そもそも危険なスタント・シーンだという認識はなかった。誰もスタント・シーンだとは思っていなかったし。それなのにユマが不安がっていると聞いて、イラついてはいましたよ。でも、彼女を怒鳴りつけ、無理やりスタントをさせるなんてことはしていません。怒鳴って言いなりになるような人じゃないし」と弁解した上で、「大丈夫だと信じていたので、ユマにも『大丈夫だ』と伝え、安心させた。彼女も僕を信じてくれた」「しかし直前で道が変更され、結果、事故が起こってしまった」と説明。「人生で一番の後悔」だと懺悔した。
この一連の流れを見ていた人たちは「タランティーノは悪くない」と認識。「ワインスタインのセクハラ騒動の時にも、タランティーノは正直だった。好感が持てる」と評価された。