「発達の遅れを指摘された」保育園にクレームを入れ続けた“モンペママ”の悲痛な叫び
まさに保活のハイシーズンともいえる2月は、預け先が見つかるまでの苦労話ばかりがよく聞かれるが、実際は保育園に入園してから卒園までの在園期間の方がはるかに長い。前回は、ようやく入れた保育園でモンペママに悩まされ、転園を考えるようになったというママの声を紹介したが、一方で「激戦をくぐり抜けて入園したのだから、大事なわが子になにかあれば一石を投じたい」という思いによって、傍から見ると「モンペママ」になってしまった人もいるようだ。今回は、子どもに発達障害の疑いをかけられたことがきっかけで、「周りが信じられなくなった」と言う男児のママの告白から、東京で育児に励むママたちの悲痛な声に迫っていく。
モンペママが“言わずにはいられない”ワケ
認可外保育所に3歳の男児を通わせている綾子さん(仮名)は、大手の石油元売り企業に勤務する正社員。仕事を理由に退職はしたくなかったため、妊娠中から保活に励み、0歳児枠で認可保育園に無事入園することができた。産後3カ月で職場に復帰したが、入園許可が届いた時は、もう1年育児休暇を伸ばすか悩んだという。
「34歳で結婚したのですが、なかなか自然妊娠ができなかったんです。気づけば高齢出産といわれる35歳を過ぎて、初産のタイムリミットともいえる40歳になっていました。出産するまでに、自然流産を2回経験しているせいか、息子以上にかわいいものってないですね」
まだ言葉も話せないような0歳児からの入所が当たり前となった近年、保育園ではトラブルが多い。ある園では、男児より女児が2倍の人数となっているのだが、男児は体格が大きくなると乱暴になるなど、トラブルが起きやすいという理由から、「女児の入園が優先される」というウワサもある。かつて男児は「元気すぎるぐらいがよい」と考えられていたが、現代ではそういうわけにはいかないのだろうか。
「最初に驚いたのが、保護者会で男児のママたちが“うちの子はやんちゃなのでご迷惑をおかけしてすみません”って謝っていたんです。何もしていないに謝る必要なんてないじゃないですか」と綾子さんは語る。また、子どもに「朝の会の最中にじっとしていられない」「先生の話を聞くことができない」というような傾向があると、園側から発達障害の疑いがあるとして、療育と呼ばれる専門の施設を勧められることもあるという。
綾子さんの息子も、みんなで読んでいる絵本を奪う、ブロックの片付けができずに放り投げるというような問題行動が多く、園からよく家庭でしつけをするように注意されたそう。そして、追い打ちをかけるように、保育士から療育施設を勧められた。「うちの子は、ちょっと周りよりやんちゃで、戦いごっこ(戦隊ヒーローのまねごと)が好きだったんです。それなのに、“口でおもちゃを貸してって言えないのは、発達の遅れがあります”って言われて、腹が立ちました」と声を荒げる。