もし“文春砲”がなくなったら? 芸能プロ、テレビ局、マスコミ関係者が語る“芸能ゴシップの是非”
次に話を聞いたのがテレビ局関係者だ。昨今、週刊誌が熱愛スキャンダルや不倫スクープを放ち、ネットの盛り上がりに鑑みて、それを情報番組が取り上げ、コメンテーターが意見を述べ、それがまたネットニュースになる……といった流れが定番となっている。
小室の引退騒動においては、ネット上で「週刊誌は芸能ゴシップを扱うのが仕事だけど、テレビがそれをわざわざ拾う必要があるのか?」といった議論も勃発していた。情報番組に携わるテレビ局関係者Z氏は、「芸能ゴシップはなくならないとは思いますが」といった前提で、話をしてくれた。
「世の中の人が、芸能スキャンダルを“参考”にすることはあると思います。芸能人の熱愛、離婚、年の差結婚やできちゃった結婚だったりが、“例”になっているのではないか……と。例えば、再婚をしようかどうか悩んでいる人がいたとして、そういった時に、『女優の○○さんは、もう3回目じゃん!』と思えたり、反対に不倫スキャンダルを見て反面教師にすることもあると思うんです。このように名前がある人の私生活というのは、一般人の生活に入り込んでいると感じています」
テレビという拡散力のあるメディアが、芸能スキャンダルを取り上げることで、それが世間に広まり、人々の価値観を形成するきっかけにもなるということだが、もし芸能スキャンダルがなくなり、芸能人の私生活が閉ざされてしまった場合、Z氏は「モデルケースがなくなって、困るんじゃないかなと思います」と指摘する。
また、応援するタレントの熱愛スキャンダルにショックを受け、週刊誌を敵視するファンは少なくない。Z氏は、そんなファン心理に関しても言及する。
「心理学について詳しくは言えないですが、人って誰かを好きになったら、『この人は普段何を食べているのかな?』『どこに住んでいるのかな?』『趣味は何なのかな?』といったことを知りたいに決まってるんです。ファンの人が悲しむスキャンダルもあるかもしれませんが、やっぱりマスコミは、ファンの“知りたい”という気持ちに応えるものだと思っています。もしマスコミがいなかったら……一般のファンは何をしでかすか、わからないですよ」