コラム
[THE筆跡鑑定ファイル]

吉岡里帆はなぜ「ウザい」のか? アンチを刺激する理由を、プロ筆跡鑑定人が指摘!

2018/02/06 15:00

――毛筆の「愚直」の文字を見ると、雄々しいというか、堂々とした文字ですよね。

牧野 はい。堂々としていて存在感あふれる文字ですが、「自分が、自分が」といった、俗にいう自己主張の「ウザさ」は感じられません。また、力強い字、繊細な字といったように、さまざまな文字を書き分けています。

――確かに、「愚直」の雄々しさと、「暑中お見舞い申し上げます」の繊細な感じは、ぱっと見、別の人が書いたように見えます。

牧野 力強さの中にも繊細さが潜んでいるので、吉岡さんは決して「空気の読めない」タイプではないでしょう。プライベートの文字は上への突出が少ないため、協調型であることがわかります。また、ハネはあっさりですので、切り替えが速く、要領も手際もよいでしょう。頭の回転も速く、素直に自分を表現できる人です。多芸多才、何をやってもソツなくこなすことができる器用な方です。

――ハネといえば、お騒がせ発言をちょくちょくしていた泰葉さんは「ハネなし」文字でした。吉岡さんも、ペンで書かれたプライベートの文字では、ハネが弱めですね。よく見ると、お見舞いの「見」などは、毛筆の割にハネが弱く書かれています。

牧野 ハネが弱い人は、あきらめが早く、打たれ弱い傾向がありますが、吉岡さんの場合は「へんとつくりの間の空間が狭い」職人気質な面から、自分で決めたことは追求するので、責任感を持ってやり遂げるでしょう。

 そして、「空間の使い方」がとても上手です。文字のレイアウトを見ると、「暑中お見舞い申し上げます」の筆跡は、文字配置のバランスや、余白の取り方が、優れていると思います。これは自分の居場所において、周囲と居心地のよい距離感を保つのが得意であることを表しています。吉岡さんの文字には、大物感、女優としての華やかさがありますが、それよりも人間関係力の高さが光ります。関係を取り持つムードメーカー的役割ではなく、自分の気持ちを素直に出すことで、周囲に変な気を使わせない、それが結果として関係を良くしていくといった感じでしょうか。

 “大物”というと、破天荒な一面を持ち合わせていることも、なきにしもあらずですが(松居一代さんしかり、泰葉さんしかり……)。吉岡さんには、そんなタイプとは一線を画す、バランスの良さがあります。

――今までこの連載ではさまざまな女性を取り上げてきましたが、アクやクセや無理が一番ない人なんですね。天然でソツがなく、どこでもうまくやっていけそうな。

牧野 素直なリアクションを自然にとることのできる人や、何をやらせてもできてしまう人に対して、私たちはついつい複雑な感情を持ってしまいがちです。

――かえって「確信犯的にあざとい、ウザい」人のほうが、見る側は安心できますよね。「無理なくうまくいっている人」に対するねたみは、「確信犯的にあざとい、ウザい」人に対するねたみよりもずっと深い業があるでしょうし。

牧野 少なくとも吉岡さんの文字からは「確信犯的なあざとさやウザさ」は、さほど感じられません。ただ、一癖も二癖もある芸能界で生き延びるためには、何か突出したアクやクセがあったほうが目に留まるわけですから、この先どのような方向性でいくかを注目したいです。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! 〜名前を書くだけ〜』(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

最終更新:2018/02/06 17:43
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