『フレンズ』ついにリブート映画予告編解禁! と思ったら「MAD動画」と判明しファンがっかり
問題の予告編動画は、マンハッタンの街並みが現れた後、医療スタッフとして働いているフィービーにモニカが「あなたの声って超ホットでセクシーよね!」と言う。「その意気揚々としたダイヤルをうんと絞ってもらわなくちゃならないわね」と返され、「オッケー。あなた、いい匂いするわねぇ」「自信に満ち溢れた匂いなのよ」という、何ともちぐはぐした会話シーンからスタート。
次に放送局NBCの孔雀のロゴが現れ、車を擦ってしまい頭を抱えるモニカにチャンドラーが歩み寄ってアプローチをかけたり、ロスがジョーイとセレブなパーティーで再会したり、交際相手と不仲のモニカをレイチェルがなぐさめたり、飲酒運転で捕まったジョーイが警察で手続きをしているシーンが流れる。
「数年間バラバラだった彼ら」というキャプションが流れ、フィービーとビデオチャットするロスが「君、本当に(変わらず)美しいな」と感心するシーンの後に「フレンズが再会した」という文字が大きく現れる。
続けて、レイチェルがモニカの恋愛について指摘するシーン、モニカとチャンドラーが大笑いするシーンなどの後に、「NBCとワーナー・ブラザース制作」というキャプションが流れ、モニカがチャンドラーとわちゃわちゃするシーン、レストランでレイチェルがロスらしき人影に笑顔で近づくシーン、賞を受賞したジョーイが受賞スピーチをしているシーンなどが流れる。そして、最後に「フレンズ、ザ・ムービー」というキャプションが現れ動画は終了する。
話があちこちに飛んでおり、「どこかで見たようなシーンだな」と違和感も覚える予告編だが、それぞれのその後の成功や再会が予測でき、新作のストーリーに期待が持てるものとなっていた。この予告動画は「とうとう『フレンズ』の続編/リブート版が見られる!」とネット上で拡散。「本当に?」と、騒然となった。
が、まもなくして、この動画を制作したのは、大ヒットしたドラマや映画、ゲームの続編/リブート作品が「こうだったら」というコンセプトのもと、キャストの別の作品からのシーンを切り取り、それらしくつぎはぎした「なんちゃって予告動画」が得意なYouTubeチャンネル「Smasher」だと判明。がっかりしたファンたちだが、それでも「これがきっかけで、本当に実現したらいい」「なんちゃって予告編がこんなに話題になるんだから、NBCやワーナーも動かずにはいられないでしょ」「キャストたちも心を動かされたと思う」と期待に胸を膨らませた。
一方で、「リブート作ってこけたら悲惨。このままでいい」「フレンズは今の時代には似合わないから、やめてほしい。ジョーイがセクハラ野郎とか叩かれちゃう」という反対派の声、「『ハイスクール・ミュージカル 4』なんちゃって予告編のほうがうまくできてたよね。『フレンズ』のはイマイチ」という声も上がっている。
ちなみに今回、この「Smasher」が制作した「なんちゃって予告編」だが、実は4年前に出回った動揺の動画に手を加えたものである。
14年にジェニファー・アニストンが人気深夜トーク番組『ジミー・キンメル・ライブ!』に出演した際、ジミーがロスになりきり、ステージに用意された『フレンズ』のセットで、ジミーが執筆した『フレンズ』の台本に沿って演技を披露し、コートニーとリサがサプライズで出演したのだ。これを見たファンは「3人とも全然違和感ない! 雰囲気も最高! ぜひ続編を制作してほしい!」と大興奮した。パロディ動画を制作しているYouTuber「VJ4rawr2」は、この盛り上がりに便乗し「なんちゃって予告編」を制作。大きな話題となったのだ。今回、「Smasher」で公開された予告編は、この「なんちゃって予告編」の一部を使っていた。
実際に『フレンズ』の続編/リブートが制作される可能性については、リサは米NBCの情報番組『トゥデイ』で「ありえないでしょうね」と断言。「あのドラマは20代が主人公の物語だったから、みんな夢中になって観たのよ。友達=ファミリーって感じだったから。年をとって、それぞれ家庭を持った今、おもしろい話なんて何もないじゃない?」と否定していた。
だが、今回「なんちゃって予告編」がこれほどまでに話題を集めたことからも、ある程度の視聴率は見込めると期待していいはずだ。ネット上では、「意外と勢いに乗ってワンシーズンくらい制作しちゃうのでは?」という意見もあれば、当時主要キャストたちが1話につきそれぞれ100万ドル(約1億1000万円)のギャラをもらっていたため「今や予算的に絶対無理でしょ」という現実的な意見も出ている。
放送終了から14年がたってもこれほど話題になる『フレンズ』の続編/リブート版制作は、「夢物語」でしかないのだろうか? 今回話題になった予告編についてキャストたちがどう思っているのか、ぜひ聞いてみたいものである。