コラム
【連載】別れた夫にわが子を会わせる?
生まれてきた娘には障害があった――家事もする大学助手の夫との生活は順調に見えたが……
2018/01/10 15:00
――子育ては大変だったのではないですか?
いえ、全然大変ではなかったです。あまり泣かずにニコニコしている、それでいて食欲は旺盛という、絵に描いたような育てやすい子どもだったんです。というか、あまりに手がからないので、息子が生後半年の頃、仕事を見つけて働くことにしました。
幸い、ソフトウェア開発の会社に採用されたので、働き始めたんです。そこは女性や若い人が多く、マイペースで働ける職場でした。夕方に帰れる労働環境で、私に向いていると思いました。
――働きながらだと、旦那さんに育児をサポートしてもらうことも必要になってきますよね。
日中は、近所の保育園に世話を託し、熱を出したりしたときは、ベビーシッターさんやファミリーサポートにお願いして乗り切りました。夫は、息子をすごくかわいがりましたね。私へのサポートも積極的で、助かりました。例えば、私が疲れて起きられないときは、代わりにおむつを替えてくれたり、ミルクや離乳食を与えてくれたりしたんです。いま考えれば、元夫自身、働く母親のもとで育てられた経験があるので、男が家事をするということに拒否反応がなかったんでしょうね。
――その後は、どうなったんですか?
2人目が欲しかったんですが、なかなかできませんでした。それで何年も不妊治療を続け、長男が生まれてから6年目に、やっと妊娠したんです。私たちはそれを機に生活環境を変えました。私は離職し、夫、長男とともに、奈良の新居に引っ越しました。