薬物使用者の掲示板に見る、ドラッグに対する本心「人生が好転した」「死ぬしかない」
今まで数多くの著名人等が、覚せい剤や大麻の使用・所持などにより逮捕され、世間を騒がせてきた。浅野忠信の父親が、覚せい剤使用の疑いで逮捕されたときは、本人も言い逃れすることもなく「自分の意思で使用していました」と、あっさりと使用を認めた。そんな話題を聞くたびに、ふと疑問に思うことがある。芸能界では覚せい剤って、そんなに身近なものなのだろうか? 多くの人にとって、覚せい剤は普段の生活で触れることのないものだ。せいぜい、知り合いに覚せい剤で逮捕された人がいるか……いや、そんなことも滅多にないだろう。
だが、それが海外になると事情は変わる。私が海外で生活をした頃、多くの人にとって覚せい剤はごく身近なものであることを知った。例えば、海外では、日本の未成年者の喫煙と同程度の罪悪感の感覚で、平然とドラッグをキメることがあるようだ。もちろん、私が知っていることが全てではないが、現地の友人らも、約半数の人がドラッグを使用した経験があり、マリファナにいたっては約8割もの友人が経験アリとの答えだった。中には弁護士もいたし、一流大学出のいわゆる超エリートもいた。そんな彼らも、10~20代の頃に少なくとも一度や二度はドラッグの使用経験があるという。
そこで今回紹介したいのは、英語圏最大のニュース掲示板サイト「Reditt」の「ドラッグ」コミュニティから、ドラッグ中毒を克服すると宣言した男性が立てた「Goodbye ドラッグ」トピック。このコミュニティは、大麻(Cannabis)、コカイン(Cocaine)アンフェタミン(Adderall)、MDMA、日本では指定薬物のクラトム(Kratom)などさまざまな薬物カテゴリがあり、ドラッグの使用感や取り引き方法、社会ニュースを議論するものまで幅広くトピックが存在している。
「Goodbye ドラッグ」に寄せられたコメントのほとんどは、彼の決断を称賛するものばかりだが、LSDカテゴリのため基本的にみなLSDの使用者。ドラッグ経験者の彼らは、ドラッグをどのようなときに使用し、どう考えているのか? トピックのコメントを一部抜粋し、抄訳してご紹介する。
<トピック主>
俺は、自分の人生と健康のために、ドラッグをやめるって決めた。最後にアシッド(LSD)でキマった時、ドラッグは人の成長を妨げるだけだって気付いたんだ。だから、やめて前に進む。俺はこのドラッグコミュニティでの交流を楽しんでるし、ドラッグを克服しようとしてる人をすごく尊敬するよ。もし、このコミュニティがなかったら、俺は間違いなく今よりもっと最悪なことになったと思うから。
<コメント1>
主、よくやった! 俺がドラッグをやる時に一番大事にしてるルールは、ドラッグの効果を現実的に捉えるようにすること。それが、悪い効果でも良いものでも。たまに、悪い面ばかりを感じるときがあるけど、「良い効果ばかりじゃない」って気づくことが重要だと思う。もし主が、このドラッグコミュニティにまた来るなら、ドラッグをやってた過去の経験と、ドラッグ中毒を克服したその経験をみんなに話してもらいたい。ここのみんなにとって、きっと価値ある話になるから。
<主>
ドラッグには良い面&悪い面があるっていうのには、すごく同意。大切なことは、ドラッグをやめたら、その後の行動に慎重になること。俺は今後、友達にもネット上でも、「ドラッグはやめるべきだ」って言い続けるつもりだよ。俺を救ってくれたこのコミュニティにお返しするためにも、いつか戻ってきたいと思う。
<コメント2>
こないだコンサートでドラッグをキめたとき、ドラッグのおかげで、たくさんのことを学んだと気づいた。最高の人生のためにしなきゃいけないことが何か、ドラッグのおかげで理解できたんだ。奇遇なことに、それがわかってから人生は好転したし、愛も見つけることができて、鬱もなくなった。全てが以前よりもずっと良くなってきたんだ。このドラッグを開発した奴が、本物のMVPだよ。
<コメント3>
これはある程度事実だと思うけど、ドラッグによる幻覚は、無限の知恵と自己洞察力を与えてくれる。私たちは、これからも人生のどこかで、障害にぶち当たり続けるけど、ドラッグは本当にやるべきことに気付かせて、それに集中させてくれる。そう考えると、LSDは精神的な問題を抱えていない限り、そして運転中じゃない限りは、最も安全なドラッグだと思う。