【元ネオヒルズ族はいま】久積篤史が「奇抜さ演じた過去」「情報商材ビジネスへの後悔」を激白
――与沢さんといえば、豪快なお金の使い方が話題になりました。久積さんはどのような遊びをされていましたか? やはり当時と今では遊び方も違いますか?
久積 ネオヒルズ族と呼ばれていた頃は、クラブやキャバクラで遊んだり、パーティーを開いて騒いだりと、皆さまがイメージしているのと変わらない遊び方をしていたと思います。ここ最近でというと、遊んだ記憶はないです。ネオヒルズ族のイメージから、私が女の子をはべらせて高いシャンパンを飲んでいる、と想像されていると思うのですが、私はお酒が好きではないので、そういった遊びが特に好きということもないんです。実は私、結構オタクでして、SNSやサイトを弄ったりするのが好きなので、いまは1日中パソコンと向き合って仕事をしています。
――やはりメディアで見せる姿は違うのですね。
久積 メディアに出演する際は、特に言動には注意を払っていました。カメラを自分自身に向かせるような奇抜な言動をあえて取るようにしていたんです。それが求められていましたから。現代は企業や組織といった枠にとらわれず、スマートフォン1台さえあれば、個人が光り輝ける時代。芸能人やYouTuberやインスタグラマーも同じで、当時は「久積篤史を売る」ことが会社の繁栄につながっていたわけです。
――久積さんは、漫画『闇金ウシジマくん』(小学館)の「フリーエージェント編」にクレジットされたことがあります。ネオヒルズ族をモデルにしたマルチ商法詐欺の話で、無料セミナーに参加者を募り、その後高額の情報商材を販売するといった手法が紹介されました。久積さんも悪役のモデルにされるのはわかっていたと思うのですが、どうしてまた取材を受けられたのですか?
久積 あれも面白い経験でしたね。取材に来られた作者の真鍋昌平さんからも、「うちの漫画知ってる? 結構描いちゃうけど大丈夫?」と何度も念押しされました。いろいろと質問を受けましたが、真鍋さんはとても感じのよい方でした。描かれ方についても特に嫌だと思ったことはありません。実際、連載されたときには、うれしかったです。
――『ウシジマくん』で描かれた情報商材ビジネスと、実際に久積さんたちが扱われていた情報商材ビジネスの違いについてお教えいただけないでしょうか?
久積 身もふたもない言い方ですが、一言でいうなら同様のものです。『ウシジマくん』の「フリーエージェント編」で上手に描かれていますから、読んでいただくのが一番わかりやすいかもしれません(笑)。
――ネオヒルズ族と呼ばれていた当時、販売していた情報商材が詐欺だという声もありました。15年の「アサヒ芸能」(徳間書店)の記事で、被害者の会が立ち上がったとか。その後、何かあったのでしょうか?
久積 被害者の会は、私も「アサヒ芸能」の記事で知りました。弁護士を通じて編集部に確認したのですが、会自体は本当に存在してはいたそうです。裁判になるのかと思ったものの、その後、特に動きもなく、訴状や申し入れも届いていませんね。
「ネオヒルズ族は何も作っていない」という批判がありますが、私が12年末に情報商材の販売を辞めた一因も、ノウハウや情報を扱うだけで、残るもの、形があるものを、「何も作っていない」ということが大きかったんです。もともと何がしたかったのか考え、「上場企業を創りたい」と思って上京した原点に立ち返り、13年からインフルエンサーとして活動を始めました。