コラム
知られざる女子刑務所ライフ28

元女囚が語る“不良”たちの年末年始――盆暮れには覚醒剤も値上がり!

2017/12/31 19:00
Photo by Shinya Suzuki from Flickr

 読者の皆さんも、お忙しい年末をお過ごしのことと思います。年末が慌ただしいのはしょうがない気もしますが、私の場合、主婦とラウンジ経営者の「二足のわらじ」を履いているので、お正月もなかなかゆっくりできませんが、楽しくやっております。

 私の通算12年のムショ生活で、何回お正月を過ごしたか思い出せないのですが、いろいろ思い出があります。獄中は食べることが一番の楽しみなので、お正月は待ち遠しかったですね。

 拘置所のほうが若干豪華なのですが、刑務所もお正月っぽいことはあるんです。もっとも施設によっても違いますし、今は経費削減もあって、年々ショボくなっているという話も聞きますけどね。

■懲役にはまぶしすぎるアレ

 意外に思われるかもしれませんが、拘置所やムショの食事は、ささやかながら「季節感」が重視されています。お正月はもちろん、ひな祭りやこどもの日、クリスマスなんかにはお菓子も出ます。こうやって懲役(受刑者)に「ありがたみ」を押し付けてるのと違いますかね(笑)。

 ふだんは夜9時には就寝させられる懲役たちも、大みそかはNHKの『紅白歌合戦』を見ることができて、カップ麺ですが年越しそばも配られます。そして元日には、おせち料理の折り詰めや、お菓子が出ます。中でも楽しみなのは「銀シャリ」でした。今の若い人は、「銀シャリ」ってわかんないかもしれませんね。白米のことです。

 いつもは三食とも黒い筋のある麦が入った麦飯ですから、銀シャリはもう弁当箱のフタを開けるだけで、マジ「まぶしい」んですよ。「ルームメイト」たちも、口々に「わああああ」「まぶしいいい」と大はしゃぎです。でも、残念なことに銀シャリは、すぐに胃もたれして飽きてしまいます。1月4日に麦飯に戻ると、「ああ、やっぱりこれやね」って、みんなほっとするんですよ。そんなですから、みんなが、お正月三が日で必ず太ります。人によりますが、私は5キロくらい太ったのと違いますかね。2キロから7キロくらいは、みんなイッてると思いますよ。

 体重は、定期的に先生(刑務官)の立ち合いの下で量ってました。月に2~3回だったかな。禁止されているダイエットをしているコもいて、先生にバレないように、おなかに辞書を仕込んだりしていましたよ。ダイエットくらいええやんと思うのですが、獄中はとにかくいろんなことが「ダメ」なんです。

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