「1人映画は恥ずかしい」炎上を経て……「GINGER」女子の“自意識過剰”が大暴走!!
去る11月、とあるネット記事が炎上騒動を起こしたのを知っていますか? 「映画をひとりで観ても哀しくならないテクとは? ~独女時間の正しい過ごし方~」……そう、何を隠そう、我らが「GINGER」(幻冬舎)のwebサイト「GINGER web」の記事です! 1人で映画を見たいけれど、周囲の人々に「あの人さ、ひとりで観にきているんだね、えらいよね(=かわいそう)」と思われるのがイヤ! というなんとも自意識過剰な内容。「おひとりさま」と思われないように、「館内が薄暗くなった予告編の【途中】から他のお客さんの邪魔にならないように、そっと端っこの席に静かに座る」「3D眼鏡で周りの状況や視線をシャットアウト」「映画エンドロールの途中で、身をかがめてこっそり立ち去ろう」などなど、思わず「それ何の修行だよ?」とツッコミたくなるような「ひとり映画術」が紹介されています。
もちろんネットでも「遅れて入って来たり、エンドロールの途中で帰るなんて迷惑」「そもそも映画館に来る人は、映画を見に来ているのであって、客席に誰がいるのかなんてことは気にしていない」「1人の何がいけないの? 1人=寂しい人みたいな考えがダサい」「いい歳して1人で行動もできないとか痛い」と批判コメントが噴出。以前から「GINGER」女子の“自分軸のなさ”は指摘していましたが、これほどまでだったとは頭を抱えてしまいました。今月の本誌はいかに!? 早速中身をチェックしていきましょう〜!
<トピックス>
◎贅沢は素敵だ!
◎お気に入りジュエリーがあれば、いつだって印象美人(ハート)
◎幸せのカタチと、見つけ方
■雰囲気ポエムで押し切る「贅沢」特集
今月の「GINGER」のテーマは「贅沢は素敵だ!」ということで、「一生モノのコート」「一点豪華バッグ」「ダイヤモンド」などラグジュアリーな商品や、「美食」「自然」「旅」など「センスを刺激する『贅沢体験』」を紹介。「倹約は美徳」「ボーナスの使い道は貯金」と言った価値観を持つというアラサー読者に、「そんな生き方で、本当に幸せになれる?」と問いかけます。「『今』の投資が『未来』を変える」「価値ある贅は、女は美しく輝かせる」という編集部による煽りコピーもさることながら、この特集の何がすごいって、冒頭3ページが丸々全部、著名人たちによる格言(?)なんですね。
「私にとっての贅沢は、人との出会いがすべて。――女優 黒木瞳」「“お気に入り”とともに時を重ね、風合いを慈しむこと。――タレント・女優 MEGUMI」「何年経ってもすぐに蘇る、鮮烈な記憶。――タレント・モデル 田丸麻紀」「ものじゃない、心や五感で感じること。――アーティスト 清川あさみ」「心から満ち足りること。例えばショコラを口に含んだ瞬間。――フリーアナウンサー 田中みな実」「生きていることが、もうすでに贅沢。――歌手・モデル・女優 土屋アンナ」……
一体これらの格言(?)から何を受け取るのが正解なのか。白背景にこれらの格言(?)がオシャレに配置されたせいで、“ほぼ空白”という贅沢な構成の誌面を見つめながら、しばしフリーズしてしまいました。これまで、このレビューで、「GINGER」女子は頭でっかちなところのある優等生女子で、コスパ重視の現実主義な部分が強めと何度か指摘しましたが、突然こういった「考えるよりも感じろ!」方向へ極端に振り切った企画を入れ込んでくるんですよね。そりゃ、こんなに振れ幅が大きかったら、読者も何が自分の軸なのか、いつまでたっても確立できないだろうよと思ってしまいました。