堂本光一考案のコンサートタイトルが2人の運命に重なった、KinKi Kidsの不思議な力
12月19日の朝、Twitterのトレンドに不思議な言葉がランクインしていた。
「またごむ」
これは、KinKi Kids・堂本光一がJohnny’s web内の連載「Show muse go on」で更新した4文字の言葉で、東京ドームで開催された『KinKi Kids Concert 20.2.21~Everything happens for a reason~』の2日目(12月17日)において、光一が「公約」したことでもある。
MCで光一が、ダンスをしているときにシャツの裾が出てしまわないよう、「またごむ(股ゴム)」を着けているという話になり、「またごむの話だったら2時間くらい話せるよ」と言う光一に対して、堂本剛が「またごむの本出してよ。『Show must go on』とかで更新してよ」と提案。光一が「じゃあ4文字。『またごむ』ってするわ」と言い、会場から拍手が起こったのだ。
コンサートに入っていない人には意味不明の言葉であり、コンサートに入ったファンの間では「忘れてると思った」という人が多いだけに、その意外性にファンは歓喜した。
しかし、こういうところにKinKi Kidsのすごさをあらためて感じてしまう。「またごむ」を更新したこと、ではない。どんな状況でも、それをポジティブに受け止め、笑いに変え、ファンを楽しませてくれるところだ。
なぜなら、6月末に堂本剛が突発性難聴を発症して以来、その病状に対する不安、さらにキンキとしての今後の活動への不安をキンキファンはずっと抱えてきたからだ。正直、2人が揃って歌える日は、まだまだ先だろうと思っていた人も少なくないのではないか。
それが10月29日の『テレビ朝日ドリームフェスティバル2017』に2人で出演。その後は、『SONGS』(NHK、12月14日放送)『堂本兄弟2017聖なる夜がやってくるSP』(フジテレビ系、12月15日放送)でも歌を披露してくれた。
とはいえ、東京ドームという場所で、ジャニーズ恒例のうちわやペンライトも禁止。剛の体調を考慮して、異例の全編オーケストラで行われるというのも、どんなものになるのか、ファンにとっても不安や緊張はあった。
そんな中、コンサートで2人が1曲目に選んだのは「Anniversary」だ。いきなりクライマックスのようなオープニング。歌い出しは剛で、ヘッドホンをつけ、いつも以上に慎重に丁寧に入る出だしに、場内の緊張感は高まる。「体調は大丈夫だろうか」という不安はどうしても拭えない。しかし、そこに光一の声が加わると、剛の声にも伸びや強さが出てきて、それだけですでに胸がいっぱいになってしまう。
まさかの1曲目で号泣してしまった人も多数いたようだ。にもかかわらず、だめ押しのように「スワンソング」「青の時代」が続く。冒頭から大いに泣かされてしまうが、MCが始まると雰囲気が一転。
「またごむ」の話で14分もまったり話したり、光一考案のタイトル内「20.2.21」について「20周年から21年目に向かってる中にキンキの2人がいるって意味。お前ら(ファン)が喜びそうなやつだよ!」とあおったり、しんみりした感動を自ら壊していく。