ファン歴10年「ジャニーズ事務所に絶望。今はプロゲーマーを応援してる」【SMAPロス取材】
――SMAP解散によるロスは、どんな症状ですか。
C子 もともと私自身は、アイドルに夢などは抱いていないタイプなんですが、トップスターのSMAPですら、こんな状態になってしまうのかというガッカリ感というか、無力感があります。SMAPの解散を見ているからこそ、ほかのグループに対しても、「いま頑張っていても、いつかは結局こうなるんじゃないか」と思ってしまいます。それに、「トップになっても、こんな悲しい終わり方になるなら、トップになんてならなくていいんじゃないか」とも思います。あとは、SMAP騒動で見えてきた、さまざまな争いにも疲れました。SMAPファン同士・ジャニーズファン同士の言い合いが目に付くと、「なんでこんなことになってしまったんだろう」と。
――SMAP解散後、ジャニオタ活動はどのように変化しましたか。
C子 彼らの成長をワクワクしながら見守る気持ちがなくなりました。かつては「東京ドームでコンサートしてほしい!」とか「みんなに慕われる国民的アイドルになってほしい!」とか、応援しているジャニーズアイドルに目指してほしい理想像として具体的なイメージがあったのですが、今は「今後どうなっていくんだろう?」「みんな何になっていくんだろう?」と考えてしまいます。結局、どこのグループもSMAPのようになってほしかったんです。でも今、その絶対的な目標がなくなったので、先が見えなくて不安になるというか。
Jr.の番組を見ていても、「彼らはこの先うまくやっていけるんだろうか」とばかり考えてしまい、素直に楽しめてないです。SMAP解散騒動の最中は特にでしたが、何事もないかのように活動しているジャニーズアイドルたちに不信感を抱くこともありました。それが彼らの仕事だから正しい行いなのはわかっているんですが、やっぱり受け止められなくて、そこでジャニーズを応援したい気持ち自体が薄れてしまいました。
――ジャニーズの代わりに、現在、ハマっているものは動物ということですが。
C子 eスポーツです! 格闘ゲームやカードゲームなどを“競技”として捉えるときの名称なんですが、ゲーム自体はもちろん、プロで活躍する選手も個性的でおもしろいんですよ。世界中で大会が行われていたり、ゲーム配信を専門にしている動画サイトがあったり、業界全体がかなり盛り上がってます。国内で行われている大会は、観戦だけなら無料で誰でも入れることが多いので、ジャニーズのように「チケットが当たるかどうか……」と震えながら待つこともなく、とても気が楽です。ゲームって、「勝つこと・強いこと=人気選手」という、すごくわかりやすい世界で。実力のある人が活躍できるというシンプルなところに惹かれるし、選手を応援してても楽しいです。たぶん、ジャニーズを見てきたことで、例えばA.B.C-Zなど「実力はあるのに生かしきれてない」というマネジメントへの虚しさを感じたり、気を揉んだりしてきたことに、疲れてしまったのかも。まあ、迷走具合が反映しているんでしょうね(笑)。
――ジャニーさん、あるいは事務所に伝えたいことはどんなことですか。
C子 「SMAPは解散しない」って言ったじゃん! という思いはあります。ジャニーさんの演出などは、今までずっとすごいと思ってきましたし、面白いことをやり続けてくれることには信頼感が今もあります。でも、その度にやっぱりSMAPのことに行き着いてしまうんです。「解散騒動のとき、ジャニーさんはいったい何をしてくれていたんだろう、社長なのに?」とか「こんなことになるなら、解散しないなんて言わなきゃよかったのに」とか。事務所に対しては、もうなにも望みません。署名をどれだけ集めても、一切響かなかった前例がすでにありますから。ファンが「こうしてほしい」と伝えても、なにも変わらないという絶望を味わっているので……。
――B子さんにとって、「SMAP」とは、どんな存在でしたか。
C子 空気のように、「常にあるもの」です。あまりにあることが当たり前すぎて、なくなることを考えたこともなかった。だから、今も「元SMAP」というのはピンとこないし、これからもSMAPは現在進行形、なくなることはないと思っています。SMAPを埋めてくれるのはSMAPしかないし、これからも変わらずSMAPファンを名乗りますよ。
(田幸和歌子)