女囚たちが一番食べたい外食は「マクド」! 出所して必ず行くのは「ミスド」……!?
覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
■毎月一回マクドへ行く懲役?
ドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)見てます? 私は録画はしてますが、経営しているラウンジのクリスマスイベントの準備などもあり、ゆっくり見る時間が取れないでいます。テレビどころか睡眠の時間もロクにないんですが、それはそれでとっても充実しているんですよ。ラウンジの仕事は、とてもやりがいがあります。
さて、『監獄のお姫さま』の脚本を書かれたクドカンこと宮藤官九郎さんは、実際に女子刑務所にも取材され、懲役(受刑者)や刑務官の話も聞いたそうですが、その刑務所は「毎月1回、1,000円以内の外食ができる」のだとか。一番人気はマクドナルドだそうです。
うらやましい……。一体、どこのムショなのでしょうか。私が懲役に行っていたころは聞いたことがありませんでした。
塀の中でマクドが食べたくなるのは、よくわかります。しょっちゅうテレビコマーシャルをやってましたから。夕食後の何時間かはテレビを見ることができたので、マクドやケンタッキーフライドチキンなどのコマーシャルを見ては「食べたいねえ」とみんなでため息ついてましたね。せやから、「マクドに行けるなんて、めちゃくちゃうらやましい」というのが正直な感想です。自由に好きなものを食べられるシャバはやっぱり最高ですね。
ちなみに私がいた頃も、出所が近くなると、シャバの空気に慣れるための外出が許される、というのはありました。500円玉を握りしめて街を歩き、コンビニで買い物をしたりします。私は長期刑ではないのですが、やっぱり「プチ浦島太郎」になってましたね。長期の人は、出所すると、100均の品ぞろえやETCの存在、公衆電話がないことなどにビックリするそうです。
私もスマートフォンは慣れるまで結構大変でした。パンフレットやコマーシャルで見ていたので、知ってはいましたが、実際に手にした時は、どれくらいの指圧(?)で触ればいいのか、着信の時にどうスライドすればいいのか、とかがよくわからず、画面を指でギューギューと押してましたね(笑)。もちろん今はすっかり慣れて、「2台持ち」で、足の指まで駆使して、主に営業用の「好き好きライン」を打ちまくってます。