保育園経営者・角川慶子&ホストクラブ代表・信長、異色の成功者は「根拠のない自信」上等!?
――「他人の目は気にしない」という面を持ちつつも、「他人の立場に立って考えること」を重んじているお二人ですが、それがなかなかできずに苦しんでいる女性は多いです。例えば、女性の世界には、マウンティング問題というのがあります。どちらが上か下かで争い、他人に自分がどう映るのか気にして、視野が狭くなり、生きづらさを感じる女性も少なくありません。
信長 どちらが上か下かで争うのは、男みたいですね。
角川 子どもの幼稚園が一緒で、同じタワマンに住んでいたりすると「うちの方が上の階よ、いいでしょ」と相手を見下す……そんなことが女性の世界にはあるんですよ。
信長 優越感ですね。
角川 そうです。お客さん同士でもありませんか。「あの客が、ボトル入れたから、私も」とか。
信長 ホストクラブではそうならないよう、お客様同士見えない位置に座っていただくんです。だけど、ホストがわざと対抗心を燃やすようなことを言う。「あそこでシャンパンが入ったからちょっと行ってくる」とか。シャンパンコールが「ワッショイ、ワッショイ」とかかるのを聞いて「私も入れようかな」と対抗するお客様もいれば、「じゃ、私は今日帰るわ」と帰ってしまうお客様もいる。最近は帰る方が多いですね。お客様の幅も広がり、普通のOLさんや、おとなしいお客様が増えたんです。ちなみに昔はお客様はオラオラな人が多かったですね(笑)。
角川 「今日はいくらまで」と言う人も多いですよね。
信長 多いです。だから「マウンティング」と聞いてびっくりしました。女性でそんなことがあると思わなかった。
角川 私は「角川さん」というキャラでやってきて、これで嫌われたらいいやという気持ちでいます。ママ友の前でも仕事でも。それでも、保護者会で持ち物を見たり洋服を見たり、意識してくる人はいますね。マウンティングまでいかなくても。
信長 それはありそうだな。
角川 職場や同じ幼稚園とか、小さくて逃げられないコミュニティの中で起きるんですよ。
信長 「あの人、あのバッグを持っているから対抗しよう」なんてやってるとキリがない。いつまでも幸せは見つけられない。楽しいか幸せかは人と比べることではないですから。ただ、一度「気にしない自分になるぞ」と意気込んだとしても、他人が気になりだすことはありますよね。そうやって打ちひしがれたときに本を読むと、また「気にしない方がいいな」と思える。そうして反復練習しているうちに、だんだん気にならなくなる。だから、たくさんいい文章を読んだり、いい人と話した方がいい。
――他人を気にしないというのは、生まれ持った性格ではないんですね。
信長 僕がこういうことを言えるようになったのは、ここ3~4年の話ですよ。それまでは、なぜうまくいっているのかわからなかったし、こうやって話すこともできなかったんですけど、本を書くことは自分を見つめる作業でもあるので、だんだんわかるようになってきたんです。
角川 信長さんのセミナーをぜひ聞きたいです。
信長 角川さんにお伝えするようなことはあまりないような……(笑)。お悩みがあるんですか。
角川 ありますよ。会社は浮き沈みがありますから。今年は、急に海外赴任が決まったり家を購入して引っ越したりという方がいらっしゃって、売り上げがびっくりするくらい下がってしまったんです。
信長 保育料は毎月にいくらですか。
角川 うちは、0歳児はお預かりしていないので、1~2歳が一番高くて12万6,000円。標準より高い方の保育園です。
信長 そういう保育園を真似する人が出てきそうですね。
角川 いますね。一時期「プロデュースをお願いします」と言われて、ノウハウを教えたら、「自分も」と保育園を始めた方がいたんですが、そこは自分の考えを入れすぎてうまくいってないんですよ。信長さんは「真似も大事」と書いていましたよね。
信長 100%真似でいい。「私らしく」とみんな思いがち。「俺流でホスト像をつくりたい」というホストも多いけど、それは形ができてからですね。それに、真似してても個性は出ちゃうものだから。
角川 信長さんは真似できないですよ。そうだ、信長さんって、ほんとに20キロも太ってたんですか……?
信長 太ってました(笑)。100キロ近くあって、なんでホストやったのかわからないですよね。根拠のない自信があったんでしょうね。
角川 それで「ナンバーワンなる」と宣言したこともすごい。根拠のない自信も言霊の引き寄せ。成功のメソッドなんですよね。