浜崎あゆみが画像修正するワケ――「自分や時代の変化に気づいている」とプロ筆跡鑑定人が指摘!
牧野 一方、浜崎さんの字で変化した部分を見てみます。「全」の字で見ますと、昔に比べると、左側の払いが明らかに長くなっています。この特徴は、今まで何回も出てきた「華やか好みの目立ちたがり屋、華麗に自分を演出したい」といった面を表しています。
さらに、「本」の字で見られる上への突出が、最近の文字「教」「動」といった字では見られません。この突出はリーダー気質の表れで、上に出れば出るほど、皆を引っぱっていこうとする気質が強いといわれています。
――デビュー当時から、ずっと華やかなステージでカリスマとして君臨してきた浜崎さんですが、かつてはあまりなかった「華やかに自分を演出したい」気質が、なぜ、今になって文字に表れてきたのでしょうか?
牧野 若い頃は、「周りからの期待を裏切ってはいけない」という思いから、用意されたレールの上を疑うことなく、がむしゃらに進んできたのでしょう。そもそも若さとパワーあふれる全盛期は、存在が華やかさそのものですので、あえてそれを意識したり演出したりする必要がなかったのでしょう。
しかし、今は昔と違う。浜崎さん自身もそれに気づいていて、だからこそ、さまざまな演出を試みているのだと思われます。人は年を取るものだし、それとともに体形にしても体力にしても気持ちにしても、何もかもが移り変わっていくのが当たり前です。
浜崎さんは心の奥底では自分自身や時代の変化に気づいているのですが、考え方が真面目ゆえに、「それを認めてはいけない」「全盛期と現在の変化を埋めなければ! 頑張らなければ!」と感じているのでしょう。とはいっても、浜崎さんは重苦しく物事の本質に迫っていく「攻め」のタイプではありません。もともと、へんとつくりの間が広いことから、受け身のほうが落ち着く「守り」のタイプといえるでしょう。突出が控えめになったのは、守りのタイプがずっと攻めのタイプを演じてきたので、疲れてしまったと読めるかもしれません。この形が今の浜崎さんにはフィットしているはずですので、無理に頑張ってしまうと、逆にストレスを感じてしまうことになりそうです。
あえて昔の自分と張り合わず、そこから距離を置くことで、もしかすると、もっと自分を楽に表現できるようになるかもしれません。
(石徹白未亜)
牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)
・ほっかいどう筆跡鑑定研究所