ファン歴16年「ジャニオタの会話に疲れた。復讐なんて虚しすぎる」【SMAPロス取材】
「Abema TV」で『稲垣・草なぎ・香取3人でインターネットはじめます「72時間ホンネテレビ」』(11月2~5日)が放送されるなど、香取慎吾、草彅剛、稲垣吾郎の3人による「新しい地図」の活動に沸くSMAPファンは多い。
しかし、その一方で「楽観視できない」「純粋には楽しめない」と、SMAPロスを嘆くSMAPファン、ジャニーズファンも少なくない。今回登場してくれたのは、現在36歳、ジャニオタ歴16年のB子さん。
ちなみに、前回登場してくれたA子さんのSMAPロスの癒やしは「カワウソのちいたん」だったが、B子さんの場合も「動物」だという。ロス状態の人たちが、いったいなぜ動物にたどり着くのか。不思議な偶然も含めて、B子さんのジャニオタ歴から伺った。
――これまでのジャニオタ歴を教えてください。
B子 小学生の頃はSMAP、中でも特にキムタク(木村拓哉)が好きで、大学生くらいから20代までは嵐ファン、30代に入ってからはSexy ZoneやHey!Say!JUMP、ジャニーズJr.を中心に「事務所ファン」になりました。
――SMAP解散をどのように受け止めましたか。
B子 SMAPが解散することを昨年8月にスポーツ紙が報じたときには、まだ半信半疑の状態でした。でも、その後、ショックがWパンチになったのは、昨年12月に週刊誌で松潤(松本潤)のAV女優との二股スキャンダルが報じられたこと。これまでは、ジャニーズ事務所のダークな話は表に出づらかったですよね。実際には、いろいろあるとしても表面化しなかったのに、SMAP騒動以降、嵐だけでも松潤、ニノ(二宮和也)、櫻井翔と、スキャンダルが次々に出てきて、夢が壊されるような、幻滅した気持ちになったんです。
――SMAP解散後に、ジャニオタ活動はどのように変化しましたか。
B子 気持ちが落ちてしまって、ジャニーズ関連のことにあまり盛り上がれなくなりました。Sexy Zoneは佐藤勝利くんがすっかり大人になってしまったこと、格差売りがなくなり5人に戻ったことで、物語が終わったというか、クライマックスを越えた感があるんですよね。5人の姿を見たりトークを聞くと楽しいですが、冠番組もないですし。JUMPはグループとして成長して、みんな「アイドル」してるので、気持ちはあまり変わらないですが……。
いま、一番安心して見ていられるのはV6。ジュリー派とかジャニー派、飯島派など特定の派閥の色がないですし、トークも面白いので、心が乱されることなく楽しめるんだと思います。
――ジャニーズJr.界隈はどうですか。
B子 Jr.では、とにかく岩橋玄樹くん(Prince)が可哀想すぎて。「Myojo」(集英社)の「恋人にしたいJr.ランキング」で4年連続1位を獲得しているのに、デビューできないんですから、もう永遠にデビューできないんじゃないかと思ってしまいます。せめてPrinceをMr.KINGの下に置かないでほしいです。
――これまでのジャニオタ活動は具体的にはどんなものでしたか。
B子 プライベートの時間やお金は、ほとんどオタ活動に使っていました。嵐、V6、関ジャニ∞、JUMP、セクゾ、Jr.などの現場を中心に、月1回から多いときは月3回くらい参戦してたような。365日、いつでも参戦できるよう融通の利く仕事を選びましたし。テレビ・雑誌・ラジオなども熱心にチェックしていました。
――SMAP解散後、ジャニオタ活動はどのように変化しましたか。
B子 昨年の12月頃からはアイドル雑誌を買わなくなりました。テレビ番組も、それまで見ていた『ザ少年倶楽部』(BSプレミアム)や『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)のほか、音楽特番やドラマもチェックしなくなり、見逃してもなんとも思わなくなりましたね。現場にも、あまり行かなくなりました。Jr.は現場が多すぎて、申し込み忘れても「まあいいか」という感じです。SMAPがなくなっても、これまでと変わらずにジャニーズごとを楽しめる人は、「のんきで良いなあ」という思いもありますし、そうしたジャニオタさんとの会話に「疲れるなあ」と感じたり、冷静に距離を置いて「ジャニオタって、こういうふうに見えるのか」と感じる部分もあります。
――ジャニーズの代わりに、現在、ハマっているものは動物ということですが。
B子 昨年末頃から、動物に萌えるようになったんですよ。きっかけは、ジャニオタさんたちのTwitterチェックからですが、タイムラインで流れてきた動物動画がすごく可愛くて、癒やされて。ジャニーズがキャッキャしてるのを見る感覚と同じで、心が温まるんです。しかも、動物の場合、入場料を払えば実際に会えるし、触れたりするんですよ。YouTubeやSNSでお気に入りの動物や動物園を見つけて、ジャニオタの“遠征”感覚で動物園に行くようになって。よこはま動物園ズーラシアは年間パスポートを作ろうかなと思ってます。ただ、ゴールデンウィークに会いに行った、お気に入りのツメナシカワウソのブブゼラくんが、9月に急逝してしまったんですよ。これまで経験がないことなのですごいショックで。
――ジャニーズにハマれない今、動物が「担当」になっているんですね。
B子 とはいえ、動物にハマっているのは、一時の気の迷いであってほしいと思っているんです。本当はジャニーズに戻りたい、もっとジャニーズを楽しみたい。できれば、派閥騒動を取り上げた「週刊文春」(文藝春秋)のメリーさんインタビュー前まで、時を戻してほしいです。当時、実際に派閥でバチバチしている部分はあっても、今思えば、ちゃんと棲み分けができていたと思うんです。
――ジャニーさん、あるいは事務所に伝えたいことはどんなことですか。
B子 「今までありがとうござました」という言葉ですかね……。ジュリーさんは嵐を育てた方として感謝しているし、有能な方だとは思います。でも、やはりSMAPがあっての嵐であり、ジャニーズ事務所だったのだと、いちジャニオタとして思います。
――B子さんにとって、「SMAP」とは、どんな存在でしたか。
B子 自分にとっても、後輩グループ、後輩グループオタにとっても「あこがれ」であり、「かなわない存在」です。超えたいけど、超えたくない存在。「Joy!!」 のような、働く大人たちを支えて明るく寄り添うような歌を歌える国民的存在は、もうジャニーズから生まれない気がします。
ただ、カレンの3人の活動が、飯島さんの企み、ジャニーズへの「復讐」だとか言われてますが、本当に復讐だとしたら虚しすぎる。復讐のために活動する、「恨」が根源にあるアイドルなんて見たくないです。夢とか愛とか希望とか、むしろ許すことを示していく存在であってほしいと思います。
(田幸和歌子)