田中みな実、「ぼっちアピール」や「闇エピソード」に見る“わがままな女王様”の顔
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の有名人>
「みんな、いなくなっちゃえ」田中みな実
『もしかしてズレてる?』(フジテレビ系、11月27日)
「独身VS既婚」「女子アナVSオンナ芸人」――テレビはこういった具合に、二元論的に人を分けるのが好きである。テレビの価値観でいうと、独身より既婚者の方が幸せで、オンナ芸人はモテずに寂しい毎日を送っているはずであって、結婚しても満たされない女性もいるとか、恋愛を謳歌しているオンナ芸人がいるという解釈はされないものだ。
こういったテレビの価値観に慣らされ、「条件が揃えば幸せになれる」という考えを刷り込まれた純粋な女性にとって、最難関職種といっても過言ではない女子アナになった田中みな実の“幸福でないアピール”は、親近感を抱かせるものなのかもしれない。しかし私から見ると、この人の強欲さはすさまじいなと思うばかりである。
11月27日放送の『もしかしてズレてる?』(フジテレビ系)に出演した田中は、“闇”をアピールする。田中は仕事を終えて、部屋に帰った時に「胸をぎゅーっとしめつけられるような寂しさに襲われるが、電話をする人がいない、こんなに電話帳にいるのに」と、ぼっちアピールをしていた。電話を数人にかけたけれどつながらないというのなら、“ぼっち”感があるが、電話をしていないなら、誰ともつながらないのは当たり前である。電話する人がいないことに腹を立てた田中は、「みんな、いなくなっちゃえ」と電話帳を削除しようとするものの、「消したら本当に1人になっちゃう」と何度も思い留まっていると言っていたが、自分の役に立たない人を切ろうとするのは、思い通りにならないことがあると癇癪を起こして、「首を切っておしまい」と命じる「不思議な国のアリス」のハートの女王のようである。田中は闇を抱えたさみしんぼうではなく、すぐにヘソを曲げるわがままな女王様なのではないだろうか。
田中がぼっちアピールをし始めたのはフリーになってから。そもそも彼女がフリーになったのは28歳で、ほかの女子アナと比べると大分早い(たいていの女子アナは、30代になってから、もしくは結婚してフリーになる)。田中はぶりっ子キャラ、オリエンタルラジオの藤森慎吾と付き合っていたというエピソードで知名度は高いものの、それ以外の“代表作”を持たないまま、フリーに転身してしまった。