コラム
“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第391回】

三田佳子次男「暴行事件」と詩織さん「性暴力」報道が示す、女性に対する警察の甘い認識

2017/11/22 15:20

 先週の「女性セブン」に続き、今週の「自身」「週女」で大きく取り上げられているのが元TBS記者・山口敬之氏にレイプされた伊藤詩織さんと性暴力の問題だ。詩織さんが最初に声を上げたのが5月だったから、少し遅いと感じるが、しかし女性週刊誌が相次いでこの問題を取り上げる意義は大きい。特に「週女」は詩織さんのインタビューも含め、10ページもの大特集を組むという力の入れようだ。

 記事には、性暴力の実態が多角的に解説される。性暴力は決して珍しいことではないが、しかしその認識がある人は少ないこと、その被害は夫婦間や恋人、パートナーなど顔見知りから受けることが多いこと、しかし日本では性暴力被害の実態が把握されず、また警察により性暴力が“本能”“性欲”といった間違ったストーリーで“流れ作業”のように処理されていること――。

 さらに「週女」記事の大きな特徴は、性暴力は決して女性だけに向けられるわけではなく、男性にも向けられるものだとして、その体験者の証言を掲載していることだろう。今年7月、110年ぶり(!)に性犯罪を厳罰化する刑法改正がなされ被害者に男性が初めて対象となったが、これまで“タブー”とされてきた領域に記事も踏み込んだ形だ。最近でも、IKKOが男性同士のレイプについて「男は反応する。刺激されて興奮したら犯罪にはならない」などと“感じたら合意”というとんでもない発言をして、世間をあぜんとさせたが、日本ではレイプ被害に関してあまりにも“歪んでいる”。

 「週女」でも詩織さんのインタビューが掲載されているが、その“視点”においては「自身」の方が考えさせられた。それは詩織さんに対するレイプ、そして告発に対し、「(私は)飲みに行く場所も人も時間も選ぶ」「事実だったとしても男性がかわいそう」など、“女性側の落ち度”を指摘する声が、同じ女性から上がっていることが紹介されているからだ。圧倒的に被害者となりうる女性でさえ、性犯罪に対する無知、偏見、そして想像力が欠如しているという現実――。そんな声に対し、詩織さんはインタビューで性暴力についてこう答えている。

「お酒を飲んでいようが、どんな服装をしていようが、性暴力を受けていい理由にはなりません」

 こうした真っ当な考えが、多くの人々に共有される。そんな世の中になってほしいと思う。詩織さんを襲った卑劣なレイプと政権関与まで浮上した今回の事件だが、これをすべての女性週刊誌が大きく取り上げた意義は大きい。頑張れ! 女性週刊誌! 

 今回の女性週刊誌は、すごい。詩織さんを取り上げた「自身」「週女」だけでなく「セブン」では話題の女性2人の対談が。菅義偉官房長官を会見で追及する「東京新聞」記者・望月衣塑子氏と待機児童問題で安倍晋三首相を追い詰めた山尾志桜里衆院議員ね。しかしこの対談について、すでにネットでは失笑とバッシングが巻き起こっている。きっと「女にしか物申せぬ男たち」が、活躍する女性など認めない! と嫉妬に狂って書き込んでるんだろうな。

最終更新:2017/11/22 16:13
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