クドカンはスランプなのか? 『監獄のお姫さま』低迷で、2019年NHK大河ドラマに暗雲
“クドカン”こと宮藤官九郎が脚本を担当する、小泉今日子主演の連続ドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)が、なかなか不振から脱することができない。
初回、第2話は共に9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、2ケタ目前までいったものの、第3話は『SMBC日本シリーズ2017 第3戦 DeNA×ソフトバンク』の中継が大幅に延長され、95分遅れの放送となったことも影響したのか、6.5%と急降下。その後も、第4話7.8%、第5話(14日)8.0%と低調な視聴率が続き、一度も2ケタに乗せられていない。
ネット上では「クドカンファンなので楽しみにしていたのに、期待はずれ」「キョンキョンが好きなので見てみたけど、面白くない。好きな役者がたくさん出てるのに残念」「笑わそう、笑わそうとしてるけど、空回りというか滑ってる」「実力派女優がたくさん出てるのに、完全な無駄づかい」「薄っぺらいマヌケなドラマ」「クドカン、スランプなのか? テンポ悪いし、登場人物に魅力がない」といったふうで、手厳しい声も少なくない。
同ドラマは女子刑務所が舞台となり、小泉、夏帆、坂井真紀、森下愛子、菅野美穂の5人が女囚役。5人は、それぞれの罪状で服役しているが、そのうち、大企業の前社長の娘である江戸川しのぶ(夏帆)は殺人罪の冤罪を着せられており、真犯人は、しのぶの元婚約者であるイケメン社長(伊勢谷友介)だった。出所後、しのぶ以外の4人は、彼女の冤罪を晴らすべく復讐計画を立て、塀の中で女囚たちに気持ちを奪われた刑務官の若井ふたば(満島ひかり)も参加することになる。さまざまな思いが交錯する刑務所での過酷な生活を経て、女たちのリベンジがうまくいくのかを描いた“おばちゃん犯罪エンターテインメント”だ。
人気脚本家のクドカンは、随所にコミカルなネタを挿入する独創的な世界観で熱狂的なファンを持ち、2013年前期のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』を大ヒットに導いて、評価をさらに高めた。
ところが、その後に脚本を担当した14年10月期の『ごめんね青春!』(関ジャニ∞・錦戸亮主演/TBS系)は平均7.7%と大爆死。続く16年4月期の『ゆとりですがなにか』(岡田将生主演/日本テレビ系)も、平均8.4%と振るわなかった。両作とも、ドラマファンの評価こそ高かったものの、数字には結びつかず。これで、『監獄のお姫さま』も低調のまま終わるようなら、『あまちゃん』後に脚本を担当したドラマが3作連続で1ケタ台になってしまい、「クドカンはオワコン」と言われてもいたしかない。
クドカンといえば、19年のNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』で、脚本を担当することが決まっている。むろん、これは朝ドラでの実績があってこその起用だ。『監獄のお姫さま』も、後半でなんとか巻き返して、大河にはずみをつけてほしいものだが……。
(田中七男)