『72時間ホンネテレビ』のジャニーズ“忖度”を元SMAP3人の責任にする「女性セブン」
芸能界、特に女優や女性タレントを批判する際、よく使われるものに “わがまま”がある。今回、「自身」「週女」がこのキーワードで2人の女優について取り上げている。
まず「週女」が取り上げたのは真木よう子だ。真木といえば、ここ最近“炎上女優”などとバッシングを受け、最近でも体調不良のため映画出演の降板が話題になったが、記事前半でも真木のわがままぶり、お騒がせぶり、事務所も匙を投げる情緒不安定ぶりが、これでもかと記されている。
だが、記事にはもう1つ重要な情報があった。それが今回の降板が真木の意思ではない、ということだ。例えば降板前、真木はプロデューサーと監督と話し合いをしたが、そこで“降ろさないでほしい”と直訴したというのだ。さらに「週女」の直撃でも真木自身、「(降板は)私が決めたことではない」とも答えている。ということは、事務所が真木の意思を無視し“勝手に降板させた”ということだ。
しかし残念ながら、記事では真木のわがままぶりばかりが目立ち、真木の発言をタイトルにまでしているにもかかわらず、その真偽について突っ込みきれていない。事務所となんらかのトラブルでもあるのか。ローラやのん(能年玲奈)みたいな背景があるのではないのか。そこをもっと突っ込んでほしかった。
そして「自身」は、それこそ、なんらかの裏があるのではないかと思われるくらい、満島ひかりが、いかにわがままかをディテールたっぷりに伝えている。
記事では「東京国際映画祭」での満島サイドからの無理難題が記されている。この映画祭に満島と宮崎あおい、蒼井優、安藤サクラという同学年女優たちが集結したが、その際、満島サイドから“いろいろ要求”があったため、ほかの3人や関係者が振り回された――。ということだが、しかし?? その1人、安藤サクラは満島と同じ事務所なのに。記事にはほかにも矛盾というか妙な話が多い。つまり、満島バッシングありきで、これまた満島と事務所の間になんらかのトラブルがあるのか!? と思われるものだ。
“わがまま”だけでなく“洗脳”という言葉が出た場合、事務所とのトラブルを疑う。それが最近の芸能記事の“読み方“かもしれない。
政権の関与さえ浮上した卑劣なレイプ事件。それが元TBS記者山口敬之氏による伊藤詩織さんレイプ事件だ。今回、「セブン」がこの事件について7ページに渡るルポを掲載している。性犯罪と被害者が置かれた立場、世間の偏見、警察、司法、そして事件をもみ消した政権の問題まで網羅した力作だ。詩織さんはこれまでにも実名告発や会見を行い、本を出版して、レイプを巡る日本社会の問題を訴えてきた。しかし、これを積極的に追及する大手メディアは少ない。そのため、事件自体を知らない人々はまだ多い。そんな中での「セブン」の大型ルポは必読だ。