カルチャー
『早稲女同盟×桃山商事-<語る女>と<聴く男>の共闘に向けて-』イベントレポ

「話が通じない男」はなぜ生まれるのか? 男女の“コミュニケーション不全問題”を紐解く

2017/10/20 18:20
主催の早稲女同盟の皆さん

 「将来や就職など真面目な話をしようとすると応じてくれない彼氏」「付き合いで飲みに付き合っただけなのに自分に気があると勘違いする職場の既婚上司」「グチを呟いただけなのに『オジサンも職場と家の板挟みで辛いんだから大目に見てよ』とTwitterで絡んでくるクソリプおじさん」……。

あなたもこんな「話を聴かない(=話の通じない)男」たちに遭遇したことはないだろうか? 心をモヤモヤさせられる彼らとは、できれば関わらずにいたいけれど、職場の上司や自分のパートナーが「話を聴かない男」だったらどうすればいいの? そんな疑問に始まり、これからの時代に求められる男女のコミュニケーションについて考えるトークイベント『早稲女同盟×桃山商事-<語る女>と<聴く男>の共闘に向けて-』が、浅草・田原町の本屋Readin’ Writin’ BOOK STOREで開催された。

「いばら道」

 イベントの主催は、同人誌「いばら道」発刊している早稲女同盟。2015年にさまざまなバックグラウンドを持つワセジョ(早稲田大学に通う女子学生または卒業した女性)が集まって発足され、エッセイや詩、小説、漫画などを通して「自分と向き合い、自分の言葉で語る」表現活動を行っているという。今回は立ち上げメンバーである編集長・早乙女ぐりこ氏、橘まり子氏、伏見ふしぎ氏の3名が登壇。彼女たちのトーク相手は、9月に新刊『生き抜くための恋愛相談』(イースト・プレス)を刊行した桃山商事の清田代表と森田専務。“失恋ホスト”として1,000人以上の女性たちのお悩みに耳を傾けてきた彼らは、「聴く男」の代表としてブッキングされたそうだ。そんな「語る女」と「聴く男」たちによるトークのハイライトをレポートしたい。

◎「プレゼンテーションのことをコミュニケーションだと思っている」問題

 イベント前半では、早稲女同盟の3人が出会った「聴けない男」の具体例で盛り上がった。飲み会の席で「彼女がほしい」と相談されたのでアドバイスをしたら「それは嘘でしょ!」と、こちらの意見を全否定し、始終モテない自慢を繰り広げる男友達や、「最近は恋愛モードじゃない」「タイプじゃない」と断っているのに、「で、いつデートする?」と何度も誘い続けてくる男などのエピソードに、登壇者たちからは「もはやサイコパス」「腹が立つというより、むしろ可哀想」と辛らつな意見も飛び交った。

 「おそらくその男性はアドバイスがほしいんじゃなくて、“アテンション”がほしいだけだったのではないか。モテない自慢も、サービス精神からその場を盛り上げようと、つい話を盛ってしまっているのかもしれない。自分の興味がそこ(自分がモテないこと)にあるため、しゃべれる話題がそれしかない可能性も」と清田氏は解説する。

 また「男性は一方的なプレゼンテーションのことをコミュニケーションだと思っている」(清田氏)という説には、皆思い当たる節があるのか、会場内からも「あ~~~」と嘆声が漏れた。学生時代、塾講師のアルバイトをしていたという早乙女氏は、「中学1年生の男子でも、すでに話を聴けない子がいた。ほかの生徒に指導している最中に割り込んできて、一方的に自分の話をし始めたり。男性講師にはそんな態度じゃなかったので、家庭で母親が息子を甘やかしすぎているせいで、女の人は自分を無条件に受け入れてくれる存在だと思っているんじゃないか」と経験談を話し、問題の根深さが浮き彫りになった。

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