「職業:愛人」の女たち 第4回

月100万円の愛人報酬、港区マンションのプレゼント――20代女子「職業:愛人」の実態

2017/10/29 21:00

aijin-04main 昨今の愛人は「会うたびに1回5万円もらってる」といったドライな関係が多い。お金持ち男性に寵愛され贅を尽くした生活を送る愛人は、近年は存在しないのだろうか? と思っていたところ出会ったのが、なんとマンションを買ってもらったり、月額100万円越えのギャラを取るツワモノ愛人たちだ。彼女たちは、一体、何をお金に変えたのだろうか?

 お金で2人の距離感をコントロールする男

 まず1人目は、愛人歴6年になるユカリさん(仮名、26歳)。最初に「パパ」ができたのは、銀座のクラブでバイトをしていた時だった。

「いわゆる太いお客さんという人です。銀座デビューしたばかりのヘルプ時代でしたので、自分のお客さんではなく、ママのお客さんでした。銀座のクラブって、お客さんを持っているママなど、『売り上げホステス』が下に何人かヘルプを抱えているんです。私が働いたお店だけかもしれませんが、ヘルプには役割があって、飲み要員、枕要員、ママの右腕……といった具合に、外見や年齢、性格などでそのポジションが決まってました」

 そして、お客さんと寝ることに抵抗のなかったユカリさんは、色恋担当のいわゆる「枕要員」になったのだという。

――枕営業って、あんまりいいイメージがないですよね。


「どうなんでしょうね。私から見ると、そうでもないと思いますよ。単なる適材適所というか……。どんな仕事でもそうですが、自分の売りになるものって大事ですよね。私は大学生で出勤もそんなに多くできなかったので、それでも稼ごうと思ったら、枕って案外都合が良かったんです」

――ママのお客さんが、その後パパになったということですが、どんな流れで交際することになったんですか?

「学生生活との両立が大変だったので、休みの期間や、学校が少し暇な時期に働いて、(学業が)忙しい時期は休むという感じで、ちょうどお店をお休みしている時にママから連絡があったんです。デビューして3~4カ月の頃でしたね。『私のお客さんで、お付き合いしてくれる女の子を探している方がいるの。タイプを聞いたらユカリちゃんがピッタリだと思って……。イヤだったら断っていいから、一度、一緒にお食事でもしない?』と言われ、食事に行ったら『この人ならいいかな』と思えたので、お付き合いしてみることにしたんです」

――お相手はどんな人ですか?

「自分で事業をしていらっしゃる方ですね。奥さんもお子さんもいる方で、普通に素敵な年上の男性でした。お仕事で成功していて尊敬できるので、自分にとって勉強になるかもしれないなという気持ちもありました」


 その男性は、スラリとした長身のモデル系の美女がタイプで、そんな女性と食事をして、デートを楽しんで、一晩を共にしたいという願望を持っていたそうだ。しかし、そんなにダンディなナイスミドルなら、いくらでも相手を見つけられそうなものだが……。

「そういう方って、女性にお金を払わなきゃいけないっていう気持ちを持っているんですよね。本気で恋愛もできないし、家庭を壊すことも考えていないから、お金を相手の女性に渡すことで一定の距離感を保つというか、安全を確保しているところもあると思います」

 関係にお金を介在させることで、自分は家庭や仕事を守る。そして、対価を支払うことで、相手の女性の一番いい時期を奪う。それは男のズルさだが、そのズルさを、いくらなら許せるのか? これこそが愛人交際にOKを出すかどうかの分かれ道になるのだろう。

 金額は決めていない。体だけが目的ならOKしない

 一体いくらなら愛人交際を許すのか聞いてみると、金額ではなく、相手の男性がどういう人なのかによるという。

「その人が、ただ単純に私を性の捌け口と思っているならOKしないです。私が相手のことを尊敬できて、人間的に愛情が持てるかどうか、そこが一番大事だと思っています。もし、すごく尊敬できて、この人と一緒の時間を過ごしたいと思えるなら、月に5万円でも全然OKです」

――では、お金が一切なかったら?

「それはないですね。お金をいただかなくてもお付き合いできるのは、やはり本気で好きになった相手だけです。結婚を考えるくらいの人じゃないと……タダはないかな」

 ちなみに、一番安い相手を聞いてみたら、月に10万円ほどで、月に1~2回会う間柄だという。一番お金を使ってくれている人は、月に100万円以上、お小遣いやらプレゼントやらでユカリさんにつぎ込んでいたそうだ。

マンション格差 (講談社現代新書)