実は知らない“隣のオタク”の恋愛事情!? 『浪費図鑑』の劇団雌猫が解き明かす
イベント終了後、雌猫たちにインタビューを行った。今、雌猫たちが推したいオタクジャンルを尋ねると、ひらりささんは「株式投資」、もぐもぐさんは、チケットが意外とお手軽価格という理由から「宝塚歌劇団」。かんさんはK-POPのアイドルグループ「SEVENTEEN」、ユッケさんは「ジャニーズJr.の東京B少年」とのこと。
そして、オタク活動と恋愛は両立できるのか、4人に聞いてみた。実は筆者自身、学生時代はヴィジュアル系バンドの追っかけに明け暮れて恋愛どころではなかったからだ。もぐもぐさんとかんさんは両立「できる」、ひらりささんとユッケさんは「できない」と回答。できない理由について、「日々人生の情熱の量が決まっており、どちらかをやると完全に心のキャパが不足するから」(ひらりささん)、「平日は仕事で人に会う時間がないし、週に2日の休みは趣味をさばくので精一杯。物理的に時間が取れません。だから、恋愛に発展しそうな人と会う機会が作れないのだと思います」(ユッケさん)と、切実な回答が。
一方、両立可能と答えた2人は、「社会人になってからは案外なんとかなると思いました。恋人から『俺と趣味、どっちが大事なの?』という問いに至る前に、お互い仕事が大前提にあるし、良い意味でドライに考えられるようになりました。オタク活動は昼に取り組み、夜から彼と会う、ということもしょっちゅうあります」(もぐもぐさん)、「私は既婚者なのですが、恋人同士の頃は気を使ってしまい、しんどいところがありました。結婚してからの方が気兼ねなくオタク活動ができるようになりましたね。とは言え、旦那が出張で東京にいないときは、堰を切ったようにオタク活動を詰め込むので、心の底では我慢をしている部分があるのかもしれません」(かんさん)との回答だった。
オタク活動と恋愛の両立は、人によって捉え方がさまざまなのかもしれない。オタク趣味のことを「沼」と表現することもあるが、一度深みにハマると抜けられなくなってしまうのはその通り。しかし、趣味でも恋愛でも何かに夢中になることは生きる糧にもつながる。イベント終盤でユッケさんが語った、「『好き』という感情は地続き。恋愛感情もさまざまだし、『好き』という感情があるのは人生楽しいことなんだ」という言葉に、会場のオタク女性たちが深くうなずいた夜だった。
(姫野ケイ)