優勝してもムダ? 『キングオブコント』の黒歴史と、歴代王者へ“呪い”の元凶
開催前は、ほとんど知られてなかった異色の男女コンビ・にゃんこスターが初出場にして準優勝を果たしたことが話題となった『キングオブコント2017』。にゃんこスターは生放送終了直後からオファーが殺到し、大手芸能事務所のワタナベエンターテインメントに所属するという異例の出世を遂げたが、優勝した芸歴13年目のかまいたちの印象は薄れてしまっており、はやくも前途は多難だ。
「コント日本一を決める」という『キングオブコント』(KOC)だが、歴代の優勝者は必ずブレークしているとは言い難い。昨年覇者のライス、15年のコロコロチキチキペッパーズ、14年シソンヌ、13年のかもめんたるなど、いずれもテレビで見かける機会が少ないのが現状だ。
表舞台に立てないだけなら、特に問題にはならないが、歴代優勝者にはスキャンダルも多発している。
ダウンタウン・松本人志からネタを絶賛された2代目王者の東京03の豊本明長は今年3月、女子プロレスラーのミス・モンゴルと同棲・婚約中であった身で、タレントの濱松恵と肉体関係にあったことが、LINE流出でバレてしまった。
「濱松は、過去にダンス芸人のエグスプロージョン・おばらよしおから中絶強要されたことも告発しており、お笑い界では有名な“地雷女”でした」(芸能関係者)
豊本はスキャンダル発覚後に元サヤに収まり、ミス・モンゴルと入籍を果たしたが、イメージ回復には至っていない。
3代目王者のキングオブコメディ・高橋健一は15年12月、都内の高校に忍び込んで女子生徒の制服などを盗み、窃盗と建造物侵入によって逮捕されている。家宅捜査によって、女子生徒のブレザーやスカート、制服などが入った大型のポリ袋を70袋も押収され、被害品は制服など182点と発表された。
「高橋はいじめ、母が自殺、父の借金を肩代わりといった壮絶な過去の持ち主ですが、それが犯罪の理由にはなりません。それにも増して、制服マニアの変態だったというのはお笑いとしては致命的で、今後も表舞台に立つことはないでしょう」(同)
5代目王者のバイきんぐは、KOCで見出されて売れっ子となったが、小峠英二は坂口杏里との恋愛沙汰でダメージを受けてしまった。
「坂口はAV出演や恐喝罪で逮捕されるなど、たびたびスキャンダルを起こしており、そのたびに小峠はネタにしていますが、間接的に被害を受けているという状況ですね」(同)
芸人として売れていれば、スキャンダルも話題となるが、そのほかの王者周辺からは寂しいエピソードしか出てこない。
第6代目王者のかもめんたるは、優勝からおよそ1年でバブルが弾けてしまったという。
「ここ数年、岩崎う大はライター業や所属事務所サンミュージックの演技指導講師などの副業に精を出しています。役者としても活動していますが、家族5人を養うにはまだまだ。相方の槙尾ユウスケは、先輩芸人・ヒロシが経営するカラオケ喫茶のランチタイムでバイト中。こちらも、妻子ありです」(同)
シソンヌ、コロチキ、ライスはよしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のため、仕事はあるが、メインで活躍する場が少なくなっているのが現状だ。KOCの歴代優勝者にこうした「呪い」ともいえる展開が続いているのは、松本人志、さまぁ~ず、バナナマンという審査員に問題があると指摘する声もある。
「松本人志は、芸そのもの評価よりも自分の笑いを優先してしまうので、客観的に売れる芸人を見抜けない。ブレーク芸人を排出できないのなら、ゴールデンタイムで生放送する意味もないので、10年ひと区切りとして、そろそろ足元を見直す時期に差しかかっているのかもしれませんね」(テレビ制作会社関係者)
KOCは来年の開催もアナウンスされているが、若手芸人にとっては「出場したいけど、優勝しなくていい」という、謎の大会に成り果ててしまったようだ。
(飛鳥ともこ)