「PLAYBOY」ヒュー・ヘフナー妻の追悼文が泣ける……「カネ目当てじゃなかったかも」の声
9月27日、雑誌「PLAYBOY」創設者のヒュー・ヘフナーが91年間の生涯を終えた。自宅の“プレイボーイ・マンション”で愛する家族に見守られながら息を引き取り、30日にはこぢんまりした葬儀が執り行われた。埋葬されたのは、15年前に自分で購入したマリリン・モンローの隣の墓だ。死因は老衰だと伝えられている。一部メディアは、5年前に結婚した60歳年下のクリスタル・ハリスには相続の権利は与えられなかったと報じたが、ヒューは彼女が生涯困らないほどの金と邸宅をのこしていたことが判明した。「ゴールドディガー(金目当ての人)」と悪口を言われていたクリスタルは、2日にやっと声明を発表。意外にもその内容が愛に満ちたもので、「本当に心の底から愛し合っていたのかも」と人々の涙を誘っている。
ヒューは、第二次世界大戦後、セックスをタブー視していたアメリカで、「性に興味を持つことの何が悪い」とマリリン・モンローが表紙の成人雑誌「PLAYBOY」を創刊した。1953年というまだまだ閉鎖的な時代に雑誌の売れ行きは上々で、やがて定期刊行されるようになり、アメリカに性革命を起こした。
美女のヌードが堪能できる雑誌だけでなく、バニーのロゴを使ったPLAYBOYブランドでたくさんの商品を販売した。テレビ番組を持ち、クラブ、カジノなど手広く手がけ、財を築き上げていった。
「PLAYBOY」はヌードのほかに、人種差別や時事問題に関する特集記事も掲載した。単なるエロ雑誌ではなく「成人男性の生活向上誌」として扱われ、ヒューは高く評価されるようになる。動物園、プール、洞窟ジャクジーが併設されたプレイボーイ・マンションには、性別や人種関係なくさまざまな人物を招待した。「プレイボーイ・マンションで起こったことは極秘」という文句に惹かれ、有名な俳優や歌手、セレブなども訪れるように。「『PLAYBOY』だったら安心だ」と同誌で脱ぐセレブも増え、雑誌は世界中で飛ぶように売れ高い知名度を得た。
ヒューは老いてからもトレードマークである赤いナイトガウンをまとい、精力的に活動していた。しかし、数年前からあまり表舞台に現れなくなった。昨年9月末には死亡説まで流れたが、その数日後、ヒューは「今夜はプレイボーイ・マンションで古き良き西部映画を見てるよ」と、30歳の妻と笑顔で寄り添う写真をツイート。「もっと早く私が病気だとタブロイドが教えてくれたら、今週末の予定をキャンセルしたのになぁ」と、ジョークまでかまし、健在ぶりをアピールした。
その後もSNSに最新の写真を投稿したヒューだったが、表舞台には現れず。雑誌「PLAYBOY」は、クリエイティブ部門を引き継いだ末っ子のクーパーが、ヌード掲載を取りやめたり復活させたりと迷走を続けている。26歳のクーパーは若かりし頃のヒューに似たハンサムマンだとメディアを賑わせたが、「やっぱりヒューありきの『PLAYBOY』」と同誌の前途が案じられるようになっていた。
そんな「生きるレジェンド」ヒューが、先月27日、91歳で他界。60歳年下のクリスタル夫人は、結婚5年目にして未亡人になってしまった。
実はヒューは昨年、自宅であるプレイボーイ・マンションを1億ドル(約113億円)で売却していた。購入したのは、投資会社メトロポウロスの取締役で、32歳の御曹司ダレン・メトロポウロス氏だ。メトロポウロスは、アメリカの国民的菓子トゥインキーなどを製造するホステス・ブランドを破綻から救済したことで知られている。プレイボーイ・マンション売買に際して、「ヒューは死ぬまでプレイボーイ・マンションに住むことができる」という条件付きだったと報じられていた。
もともとダレンは、2009年にヒューが所有する隣接した物件も1800万ドル(約20億円)で購入していた。プレイボーイ・マンション購入時、「最終的には全ての土地をくっつけて、約3ヘクタールをマイホームにする計画を立てている」と明かしており、今回ヒューが亡くなったことで「クリスタルは家を追い出され、路頭に迷うことになるのでは」と注目が集まっていた。というのも、クリスタルはヒューの遺産はもらえないと伝えられていたからだ。
ヒューは大学時代の恋人と23歳で結婚したが、33歳の時に離婚。その後しばらくは結婚せず、その名の通りプレイボーイ生活を謳歌していたが、63歳でプレイボーイ・モデルだったキンバリー・コンラッドと再婚する。36歳年下の美しくセクシーな妻をめとったとして大きな話題となったが、9年で別居してしまう。長らく正式に離婚はしていなかったが、20年後、クリスタルとの結婚が視野に入ってきたため、手続きを取り、10年に離婚を成立させた。