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「スタントを使わない」意識の産物

あの名女優が『007』セックスシーンで死にかけていた! 撮影現場でえらい目にあったハリウッド俳優たち

2017/10/18 21:00

 名作として語り継がれるSF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ。人気テレビコメディ俳優だったマイケル・J・フォックスを世界的な銀幕スターへと押し上げた作品だ。この完結編である『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』(90)で、マイケルは「死の淵を見た」と明かしている。

 マイケルは、悪党たちにロープを首に巻かれて吊られるシーンを撮影するにあたり、スタントを使わないことに同意した。当初の予定では、彼自身の首にロープを巻きつけ、機械で体を支えながら吊られることになっていた。しかし実際には機械は使用されず、そのまま吊るされることになったという。ロープで首を絞めつけられ、息が止まったマイケルは気を失ってしまう。十数秒後、さすがに変だとスタッフが気づき、なんとか助けられた。

 この事故でマイケルは30秒間も意識を失い、現場は騒然となった。幸いにも後遺症などは残らず、製作側は「大丈夫だったから」と、マイケルが本当に苦しんでいるシーンを映画に使用。問題のシーンでは、マイケルが首のロープを両手で掴み悶絶する様子が確認できる。

 ちなみに同シリーズでマイケルのスタントを務めたのは、チャーリー・クラフウェルというスタントマンだった。2人は私生活でも交流があり、チャーリーはマイケルがその後出演したほとんどの映画で彼のスタントを務めている。

 また『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)の有名なスケートボードのシーンは、簡単な走行はマイケル自身が行い、後方から車がぶつかったりするなど危険を伴うシーンはプロのスケートボーダーのパー・ウェリンダーとボブ・シュメルツァーが行ったとのこと。エンドクレジットにもスタントとして彼らの名が記載されている。

■クラヴ・マガを習ったアンジェリーナ・ジョリー

 スタントコーディネーターとして数多くの映画製作に携わってきたサイモン・クレーンによると、アンジェリーナ・ジョリー(42)は「スタントの99%は自分でやる」ガッツのある役者だそうだ。有能な女スパイを演じたアクション映画『ソルト』(10)の監督フィリップ・ノイスも、「CGI処理はしてないし、スタント・ダブルも使ってない。この作品の中のアンジーは全部アンジーだ」と自慢げに語っている。

 アンジー自身も、10年7月のコミコン・インターナショナルで『ソルト』(10)のスタントは自分自身で行ったと述べ、イスラエルで考案された格闘術クラヴ・マガとタイのムエタイの特訓を受けたと告白。「ほかに出演したどのアクション映画よりも、最高の仕上がりになった」と胸を張っていた。

 むろん撮影での怪我は絶えなかったそうで、「一番ひどいケガは、信じられないほど簡単なシーンで作った。銃を持ち床を転げるシーンで、鼻の上をザクッと切ってしまい跡が残ってしまった」と明かしている。

 また、頭を強く打ちつけ「音が聞こえなくなった時は、やばい、脳しんとうだと思った」とのこと。爆音から耳を守るため耳栓をしていたから音が聞こえなかったのだが、耳栓の存在を忘れてしまい、一瞬パニックになってしまったことを明かした。頭を打ったために周囲は心配し、念のためにと病院にかつぎ込んだ。監督はその時のことを、米芸能誌「Usウィークリー」で「リーヴ・シュレイバーとの最後の戦いのシーンで、アンジーが銃を撃ちながらドアに飛び込むときに、勢い余って頭を強打してしまったんだ」「念のために病院に連れてったんだが、アンジーはずっと『大丈夫! その必要はない!』と言い続けててね。本当に頑固者だよ」と回想している。

 アンジェリーナは、今も可能な限りスタントを自分で行っている。『マレフィセント』(14)でもワイヤーで体を吊ってスピード感のあるアクションシーンを華麗に行い、大きな話題となった。

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