芸能
自己ブランディングの鬼

小松菜奈、SNS女子を信者化させるインスタ――“あこがれ”を呼ぶ“嫌われない”投稿の妙

2017/09/30 18:00

 今や若手モデル・女優のトップの1人となり、ファッションアイコンとして一部の若い女子たちから絶大な支持を集めている小松菜奈。その人気の理由は、外見の魅力や演技力だけでなく、“SNSの使い方”にもあるように思う。

 デビュー以来多くの雑誌でモデルとして活動し、2014年公開の映画『渇き。』出演以降、女優としても活躍。端正な顔立ちと抜群のスタイルはもちろんのこと、ミステリアスでアンニュイな独特の雰囲気が、単なる「可愛い」「綺麗」といった魅力に留まらない個性を放っていると、彼女を評価する声はよく聞かれる。Twitterやインスタグラムにはトレードマークと言えるパッツン前髪、顔のホクロ、赤リップなどを真似した「小松菜奈メイク」の写真を投稿する一般女性も多い。

 現在、小松本人が運用しているSNSはインスタグラムのみで、フォロワーは126万人(2017年9月現在)。一般人が小松菜奈の画像を投稿するファンアカウントも多く、人気ぶりが窺える。

 しかし、小松のインスタは、同世代の女性芸能人のそれとは一線を画すものとなっている。投稿は主に、出演した映画や雑誌、ショーの写真か、趣味であるカメラで撮った風景や動物の写真。プライベートで撮られた人物写真の投稿は少なく、あっても親友であるモデルのemmaとの写真がほとんど。若手女性芸能人によくあるような自撮り写真は一切ない。また、露骨にはやりのインスタ映えを狙ったような写真は見当たらず、私服コーデ写真も、スムージーや小洒落た壁も、不自然なほど綺麗に盛り付けた朝食も載せない。

 小松のインスタへの“こだわり”と思しき点はほかにもある。キャプションも絵文字のみや単語1つなど、ほとんど文章を書かず、ストーリーズ(投稿写真・動画が24時間で消える機能)も投稿しない。そもそも自分の写真でなく「小松」という文字のみのアイコン(以前は自身の写真であった)、「小松菜奈(21)カメラ/古着/旅行」というプロフィールも、自己アピールをするのが仕事である芸能人らしくない。

 そんなインスタの使い方こそ、小松が一部の若い女子を惹きつける魅力の1つになっているように思える。

 小松のファン層は、ラメフィルターをかけた写真を投稿するようなキラキラ系女子ではなく、どちらかと言うと「写ルンです」で撮った写真を投稿するようなサブカル寄りのオシャレな女子が多い。このような層は、 “他者からのいいねを意識してる感”を好まない傾向がある。

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