アンダーヘアは、なぜコンプレックスになりやすい? カツラ開発者が語る“女のアソコ”の価値観
永久脱毛が身近になり、アンダーヘアのケアを意識する女性が増えている。しかし、「どれだけ仲の良い友達でも、開けっぴろげにアンダーヘアの悩みは話せない……」という女性は少なくなく、話題に出すことも“タブー視”される風潮は今も変わっていない。なぜ、アンダーヘアは気軽に語ることが憚られるのか? アンダーヘア専用ヘアコンタクト「Venus Veil(ヴィーナスベール)」を販売する株式会社「クレイジーバンプ」の加藤さんに、女性のアンダーヘア意識について伺った。
■“アンダーヘアはあって当たり前”の価値観
若い世代を中心に、ケアすることが一般的となりつつあるアンダーヘア。広告などで「Vゾーン」「VIO脱毛」といった文字を見かけることも増えたとはいえ、いまだ人前でフランクに語れるほどには至っていない。
加藤さんも、これまで友人とアンダーヘアについて話した経験はなく、開発時のリサーチでは、「『こんな商品を開発するから聞かせてほしい』という前提があって初めて、話題にすることができました」という。それでも、何にどう悩んでいるのかという込み入った話までは聞き出せなかったそうだ。
アンダーヘアの話題がタブー視される背景として、加藤さんは、「日本人ならではの奥ゆかしさなのかもしれない」と分析する。全処理やケアすることが一般的な外国人と違って、日本人はアンダーヘアをそのままにしておくことが“普通”とされてきた。そのため、手を加えると「遊んでいる」などの印象を持たれやすく、おのずとアンダーヘアの話題は口にしづらいムードに。
「アンダーヘアを永久脱毛した人の中にも、『アルはずのものがナイ』ことに恥ずかしさを覚えるようになってしまう方もいます。特に『アンダーヘアはあって当たり前』という意識の強い年配者の目に触れる温泉などでは、全処理のまま入浴することに抵抗を感じる人が少なくないといいます。また『パートナーに見せる際、アンダーヘアがないと恥ずかしい』といった方もいるようですね」
■「普通のアンダーヘア」がわからない
そんな女性たちの悩みを解消すべく、アンダーヘア専用のカツラとなる「ヴィーナスベール」を開発した加藤さんだが、途中、アンダーヘアトークのタブー視による弊害を感じる場面もあったという。
「もともとアンダーヘア専用のカツラはありましたが、毛量が多く、毛も真っ黒で不自然なものでした。そこで、違和感のないものを作りたいと思ったのですが、まず“普通のアンダーヘア”がどんな感じかわからないんですよ」
知人などへのヒアリングでは十分に聞き出すことができない。他人のアンダーヘアを見る機会もほとんどない。そこで、男性向けの雑誌を見たり、社員が実際にサンプルを試したりしながら意見を出し合い、改良していったそうだ。
しかし、いざ完成すると、「本当に需要があるのか?」という不安が襲ったという。
「人と同じか違うかで悩む方もいる一方で、まったく気にしない方もいます。アンダーヘアの話題がタブーとされていることで、カツラが必要とされているかの把握さえ難しかったんです」