“結婚できない男”今田耕司に教えたい「外見が玄人、内面は素人」というオンナの正体
テレビでの発言を本気にしてもしょうがないが、これらの条件は、今田が面倒くさい認定されるのに十分な量と質である。
今田の理想の相手は、「両親に可愛がられ、きちんとした躾を受けて育った地方出身者」で、「特に化粧などをしなくても美人で、体のパーツもきれい、よく食べるがスタイルはいい」「お酒が好きだけれど、六本木や西麻布といった繁華街で遊んだり、ガラの悪い男友達はいない」「芸能人や業界関係者と交流がなく、まちがっても枕営業なんてしない人」……とまとめることができるだろう。
39の条件の中に、女性の職業については言及されていないものの、芸能人か、芸能人と知り合える特殊なコネを持っている女性を想定していることがよくわかる。キレイであることは絶対条件だが、ハリウッド関係者と食事をしたり、タダで海外旅行に行くという芸能人利権や芸能人的営業をしない人。人より前に出てナンボの芸能界で、そんな消極的では売れないだろう。ご両親がどっさり仕送りをしてくれるなら別だが、地方出身の、ビッグネームとは言い難い女性芸能人の生活は、そんなに余裕があるものではないと予想がつく。誰か応援してくれる人がいないと、もしくは時給の高いアルバイトをしないとしんどいだろうが、今田の考えはそこまで及ばない。外見はお金が稼げる玄人レベル、内面は業界の汚れを知らない強い貞操観念を持った素人っぽい女性を探しているようだ。
時は流れて、2017年。9月10日放送の『おしゃれイズム』(日本テレビ系)に出演した今田は、またしても「結婚したいのに、できないネタ」を披露する。今田の後輩であるナインティナイン・岡村隆史に、「人の見ていないところを見ている」「(顔やスタイルは良くても)『あの娘のハンカチ汚かったで』みたいに」と暴露されていた。岡村いわく、今田はその“汚いハンカチ”から、「家が汚いということは、トイレも汚い」といった具合に連想し、「裏側を見つけてしまう」のだそうだ。“内面を暴こうとする”視点には、外見のいい玄人タイプの女性は好きだけれど、玄人的な内面は嫌いという矛盾や葛藤を抱えているように感じられる。
そんな今田は、結婚したい女性のタイプとして、ハーフであることと共に「食べることが好きな人がいいね」を挙げた。食べることが好きな人であれば、おいしいものを食べた時にいいリアクションをしてくれるという意味での発言だったが、いいリアクションは、感動から生まれるというより、ごちそうしてくれる目上の人に対する敬意として発せられるものではないか。となると、接客業のように「お客さんが上」かつ「金を使ってくれた人を喜ばせる」関係を何度も経験して、場数を踏んでいる女性こそ、それができるわけだ。つまり、リアクションのいい女性は、今田の嫌いな内面が玄人、もしくは玄人的センスを持っているということだろう。
「外見が玄人、内面は素人」な女性を探すのは難しい。しかし、そういう女性を“完璧に演じられる人”なら、案外いると思う。なぜなら、素人っぽく振る舞えるのは、玄人が何たるかを知った人でないと無理だからである(家事手伝い、元モデルという触れ込みのロンブー淳夫人も元キャバクラ嬢だった)。今田と結婚したい接客業の女性は、チャンスありなのでぜひ頑張ってほしい。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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