鈴木砂羽だけじゃない! “わいせつ演技指導”、竹刀に灰皿……「演劇界」の異常な常識
女優・鈴木砂羽が初めて演出を手掛けた舞台『結婚の条件』に出演予定だった女優2人が、「人道にもとる行為を受けた」として公演直前で舞台を降板したことが話題になっている。鈴木は公演初日である9月13日の終演後、涙ながらに“土下座強要疑惑”や“罵声疑惑”について否定。この騒動について、俳優の高橋克実は同日の『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)で「演劇の世界では普通ですから」と発言し、決してパワハラではなかったと訴えている。厳しすぎる指導に注目が集まっているが、似たようなことは以前にも騒動になっていた。
「2012年、女優の神田沙也加は公演初日の前日に急遽舞台を降板。急性胃腸炎のために降板を決めたといいますが、その原因は厳しすぎるスパルタ指導にあったとされています。出演予定だった舞台『マクロス ザ・ミュージカルチャー』は、主要キャストのひとりである俳優・菊池卓也と脚本家も降板しており、指導を行う立場である演出家の茅野イサム氏に注目が集まりました。というものも、茅野氏がその前に演出を手掛けたミュージカル『エア・ギア』で主演を務めた鎌苅健太が公演後、病気を理由に芸能活動休止を発表していたからです。病気について詳細は明かされていないものの、鎌苅は茅野氏の厳しい指導によって心の病にかかったというウワサが後を絶ちませんでした」(芸能ライター)
さらに、演劇界ではパワハラだけでなく、セクハラも問題になったことがある。
「芸歴50年以上のベテラン俳優・杉良太郎は、新人女優に対して“わいせつな演技指導”をしていたと被害者から告発されています。この騒動を報じた『週刊ポスト』(小学館)によると、杉が主宰する演劇塾に入った新人女優は、杉に“処女か?”ということを聞かれたり、キスを強要されたり、下着に手を突っ込まれそうになったと訴えました。さらに、女性が携帯電話で杉との会話の様子を録音したところ、口止めしようとしたそうです」(同)
演劇界で厳しい指導といえば、16年5月に亡くなった“灰皿投げ”で有名な演出家の蜷川幸雄氏が真っ先に思い浮かぶかもしれない。
「蜷川さんは生前、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演した際に“灰皿投げ”の事実を認めたものの『当たらないように投げている』と発言していました。しかし、亡くなった後に放送された『バイキング』(フジテレビ系)で、高木美保は『投げられた灰皿に当たった』と証言。その後、蜷川さんから灰皿が当たってしまったことを謝罪されたというエピソードも明かしていました」(同)
演出家の鴻上尚史氏は、13年に発売された著書『不安を楽しめ!』(扶桑社)の中で「僕が二十代の前半、演劇界でも竹刀を持って演出するスタイルの演出家が何人かいました」と綴っている。舞台の良し悪しは演出家によって決まるとも言われているが、“演技指導”と“土下座強要”は別物。『結婚の条件』を降板した女優2人には法的措置も検討されているというが、どちらの言い分が真実なのかは不明だ。