『黒革の手帖』のリアル元子!? “ホームレス”からナンバー1キャバ嬢へ成り上がった女の意外な夢
「彼氏に振られたんです。20歳そこそこの彼氏に将来を託していたつもりはなかったのですが、22歳の私にとっては絶望的でしたね。就職先もナシ、同棲していた家も追い出されて住む家もナシ、学費を払っていたので貯金もナシ。親に就職先を探してないなんて口が裂けても言えず、実家に帰ることもできませんでした」
彼氏との別れを機に、突如ホームレスになってしまったリサさん。幸い、キャバクラのアルバイトは続けていた。
「友達の家やネットカフェを泊まり歩いて、1カ月間がむしゃらに働きました。それまでは彼氏の休みに合わせて店を休んだり、お客さんに営業もまったくしてこなかったんですが、この時、初めて水商売の仕事と向き合いました」
もともと、社交的で人見知りしない性格のリサさん。本来、真面目だったこともあり、遅刻も欠勤もせずに働き、1カ月後、2,000円だった時給は5,000円にまで上がった。結果、部屋を借りることもできた。その後も、店での成績は順調に伸ばしたというリサさんの「売れるための秘訣」とは、何だったのだろうか?
「お客さんと一緒になって楽しむことを、一番大事にしました。私は特に気配りができるというタイプでもないし、連絡がマメというわけでもないので。店に来ていない時にメールや電話を頑張るのではなく、店に来たら必ず楽しんでもらえるようにしました。私のお客さんは割とお金持ちで、普段は高級クラブで飲んでいるような人が多いです。仕事中は部下を使って、高級クラブではチヤホヤされる、常に誰かの上にいる人たち。私はそういう人にも常に同じ立場で、友達のように接して一緒に騒いじゃいます。それが良いと言って来てくれる人が多いですね。ただ、売れている人の接客は観察していました。私にはなくて、売れている人にあるものは吸収するようにしていました」
その後、キャバクラで初めてのバースデーイベントを行ったリサさんは、1日で300万円を売上げ、ナンバー1になった。
「ナンバー1になった時、あまり実感は湧きませんでしたが、正直複雑でした。私は、常に誰か尊敬する先輩がいて、それを追っかけるという立場が好きだったので。ナンバー1になると、抜かされないような努力をしないといけなくて、今までと努力の内容が変わってくるのも嫌でした。もちろんプライドがあるので、一度上に行ったら落ちたくないという気持ちもあります。でも、そのためにお客さんに無理させるというのは、私のスタイルではないと思いましたね」
また、トップになったことにより、トラブルも生じてくる。
「店の子のドレスがハサミでズタズタに切られていたのを、私が犯人扱いされたり、口説いてきたお客さんに冷たくしたら、その客がほかのキャストに『リサがお前の陰口言ってる』など、私の立場を悪くするうわさを流されたりしました。その客は出禁にしたのですが、その後、ストーカーまがいなことをされました。メールを1日100通近く送ってきたり、私の自転車を見て帰ってるかを確認されたり……。結局、こういったトラブルが絶えず、店を移ることにしたんです」