「神のお告げと言い張って……」神職者がゾッとした、“暴走”するスピリチュアル参拝者
ゾッとした参拝者3:絶対的タブー“禁足地”をSNSにアップ
最もよく見かけるのが、「禁足地」に関するタブー破りだという。
「ある神社紹介サイトに、堂々と禁足地内の写真が掲載されていたのには、目を疑いました」
日本最古ともいわれる神社の神職は、首を振りながら嘆き教えてくれた。日本人は、古くから自然そのものを神とみて、信仰してきた。大神神社(奈良県)は三輪山をご神体としているし、宗像大社(福岡県)は絶海の孤島、熊野那智大社(和歌山県)は滝が信仰の対象だ。だからこそ、神の宿る地を「禁足地」として、立ち入りが厳しく制限されていることも多い。
例えば、宗像大社(福岡県)がある沖之島は禁足地であり、女性の立ち入りは一切禁じられている。男性も、お祭りのときなどに許可を得た少人数のみが上陸可能だ。大神神社(奈良県)の三輪山は、社務所で受付を済ませ、登拝料を支払えば立ち入りが可能だが、入山口にある鳥居をくぐれば、写真撮影は一切禁止。
また、ご神体山で見たことは一切口にしてはならないとする神社もある。例えば、湯殿山神社(山形県)のご神体は、湯殿山にある温泉の湧き出る赤茶けた巨石だとされており、それは「お言わず様」とも呼ばれている。その地で見たことは人に語ってはいけないとされ、ましてや写真に収めるのは、絶対的なタブーだ。
しかし、「湯殿山 御神体」で画像検索してみると、ご神体らしき赤茶けた画像がたくさんヒットする。
「見つけ次第削除をお願いしているそうですが、ブログなどで誰でも発信できるこの時代にあっては、イタチゴッコできりがないんです」(同)
日本の神々の大らかさを考えたとき、神の宿る場所を撮影したとて「仕方ない」と笑って済ませていただけるかもしれないが、やはり、タブーを守らない参拝者の願い事を積極的にかなえてやろうとは思わないのではないだろうか。
こうしてトンチンカンな参拝者の事例を見てみると、神社だけでなく、一般社会においてもマナー違反と言えるものもあるだろう。手水をしっかり使ったり、二礼・二拍手・一礼を守ったりするだけでなく、一般的なマナーを守るようにしたいものだ。